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松岡功の一言もの申す

「成長事業をさらに伸ばすために分社してはどうか」と富士通 時田社長に聞いてみた

松岡功

2021-05-06 10:09

 富士通は事業領域を、デジタルトランスフォーメーション(DX)を柱とする「成長」分野と、従来型ITを中心とした「安定」分野に切り分け、成長分野の伸びをさらに加速したい考えだ。ならば、いっそのこと分社してはどうか、と同社 代表取締役社長の時田隆仁氏に聞いてみた。

事業を「成長」と「安定」の領域に分けて成長事業に注力

経営方針説明会に臨む富士通 代表取締役社長の時田隆仁氏
経営方針説明会に臨む富士通 代表取締役社長の時田隆仁氏

 「当社は2020年5月、『イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく』というパーパスを定め、これを実現するための活動として、お客さまの価値創造と自らの変革に取り組んでいる」

 富士通が4月28日にオンラインで開いた経営方針説明会で、時田氏は開口一番こう述べながら、図1を示した。

図1:「For Growth」と「For Stability」という言葉に注目(出典:富士通)
図1:「For Growth」と「For Stability」という言葉に注目(出典:富士通)

 会見の内容については富士通のサイトで資料や動画が公開されているので参照していただくとして、本コラムでは図1に記されている「For Growth」と「For Stability」という言葉に注目したい。

 同社によると、For Growthは「デジタル技術を活用し、お客さまの事業の変革と成長に貢献する事業領域」、For Stabilityは「システムの保守や運用といった従来型ITとして、お客さまのIT基盤の安定稼働への貢献と品質向上に取り組む事業領域」を指す。事業領域をこの2つに分け、とりわけFor Growthの内容を明確にしてその成長をさらに加速していくことを同社として強く意思表示したものだ。

 ちなみに、富士通が事業の内容や業績についてこうした開示の仕方をしたのは、2020年10月に開いた2020年度(2021年3月期)中間決算の説明会が最初だ。筆者はかねがね、IT分野をはじめとした日本企業は欧米企業に比べて決算会見での成長事業や注力事業の説明がおとなしいと感じてきたので、同社の動きに賛同する意も込めて、2020年11月5日掲載の本コラム「日本企業は決算発表で成長する事業領域を明確に語れ」を記した。

 図1に話を戻すと、時田氏はFor GrowthとFor Stabilityを合わせた顧客の価値創造という観点で、2020年度は「グローバルビジネス戦略の再構築」「日本国内での課題解決力強化」「お客さま事業の一層の安定化に貢献」「お客さまのDXベストパートナーへ」といった課題に取り組んできたと説明した。

 そして2021年度(2022年3月期)については、「社会課題を起点としてお客さまと共にその解決に取り組みながら成長していくために、For Growthをけん引する7つの重点注力分野を定めた」として、図2を示した。

図2:For Growthをけん引する7つの重点注力分野(出典:富士通)
図2:For Growthをけん引する7つの重点注力分野(出典:富士通)

 この図で興味深かったのは、一見するとVerticalの4つは「業種別」とも受け取れるが、時田氏はこれらを「業種横断のクロスインダストリーな分野」と説明したことだ。逆に言うと、多くの業種がこの4分野に集約されるとの見方もできる。非常に熟慮された4分野だと感じた。ちなみに、Horizontalの3つは「DXを支えるために必要な分野」とのことだった。

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