テレワーク下の不調を早期発見--従業員のメンタルヘルスを可視化する「Weekare」が提供開始

大場みのり (編集部)

2021-05-28 09:35

 人事コンサルティングやHRテック事業を行うP&L Associatesは5月27日、従業員のメンタルを定期計測し、不調を早期発見するメンタルヘルス可視化ツール「Weekare(ウィーケア)」の提供を開始した。

 コロナ禍でテレワークなどが進み、組織のコミュニケーションやコンディションの把握が難しい状況になっている。メンタルケアに関心を持つ企業は増加傾向にあるが、企業側は「メンタルチェックのノウハウがない」 「個々の従業員まで目が届かない」、従業員側は「項目が多くて回答が面倒」といった課題を抱えているという。

図1:Weekareの設問イメージ(出典:P&L Associates)
図1:Weekareの設問イメージ(出典:P&L Associates)

 こうした課題を受けてP&L Associatesは、Weekareを開発した。同ツールは、従業員一人ひとりのコンディションを毎週チェックして変化を数値化することで不調を早期発見し、管理者へアラートで知らせる。ベータ版ではメンタルチェックの方法がメールのみだったが、本格提供の今回はスマートフォンアプリの提供や「LINE」との連携も行う。アプリはAndroidのみに対応しており、今後はiOSへの対応も予定している。

 Weekareは、ユーザーが感覚的に答えられるチェック機能により、リアルな回答を収集できるという。例えば、気分に関する質問には「NOT GOOD」や「GREAT」といった選択肢が用意されている(図1)。料金は従業員数に応じており、申し込みから最短1日で利用することができる。

図2:管理画面のイメージ(出典:P&L Associates)
図2:管理画面のイメージ(出典:P&L Associates)

 併せてP&L Associatesは、テレワークに関する意識調査の結果を発表した。同調査は4月6日~21日、インターネットで非管理職と管理職を対象に実施。有効回答数は334件だった。

 その結果、テレワークによる社内コミュニケーションへの影響について、47.8%が「やや難しくなった」、12%が「難しくなった」と回答した。難しさを感じる部分は、非管理職と管理職のどちらも「同僚/他部署の従業員とのコミュニケーション」「仕事以外での従業員とのコミュニケーション」が目立った。加えて、管理職の約4割が「部下への指示や指導」「部下のコンディション把握」にも難しさを感じていると回答した。

 またP&L Associatesは、非管理職には自分自身について、管理職には部下について「テレワークはどのような変化をもたらすと思うか」と質問した。その結果、「精神的な健康度」「業務や作業の能率/効率」において、非管理職の24.7%、管理職の39%が「やや低下する」「低下する」と回答した。

 こうした結果について同社は、「新型コロナウイルス感染症の対策として急激にテレワークが広がったことで、企業はコミュニケーションの課題を抱えている。仕事の幅が広い管理職はコミュニケーションのほか、部下のメンタリティーや効率性の低下も危惧している」と説明する。

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