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ペーパーレス化で蓄積されたデータが労働環境改善の鍵に--SmartHRが中長期事業戦略

大場みのり (編集部)

2021-06-09 08:41

 SmartHRは6月8日、中長期事業戦略について発表会を開催した。

 同社は、入社手続きや雇用契約をデジタル化し、人事/労務業務を効率化するクラウド型ソフトウェア「SmartHR」を提供している。加えて、ペーパーレス化で蓄積された人事データを活用した「ラクラク分析レポート」や「従業員サーベイ」といった機能も提供している。

 発表会に登壇した取締役 COO(最高執行責任者)の倉橋隆文氏は、日本の中長期的な課題として「日本の労働力人口と労働力率の見通し」のグラフを紹介した(図1)。日本の労働力人口(現在働いている/求職中の人)は、2020年の時点では約6400万人いるが、2065年には4000万人を下回ると予想されている。

図1:日本の労働力人口と労働力率の見通し(出典:SmartHR) 図1:日本の労働力人口と労働力率の見通し(出典:SmartHR)
※クリックすると拡大画像が見られます

 こうした課題を受けて、国は「1人当たりの生産性の向上」「働きたいと思う環境の整備」という2つの課題に直面している。後者の課題は、約1000万人に上る「定年退職をしたシニア層など、仕事はしていないが働ける人」が働きたいと思える環境を整備することを意味している。これらの課題は、企業の課題でもあると倉橋氏は指摘した。

 SmartHRではこれまで、「1人当たりの生産性の向上」に貢献してきたが、今後は「働きたいと思う環境の整備」にも投資する。具体的には、先述したラクラク分析レポートや従業員サーベイなど、人材マネジメント領域の機能に注力する。それに当たり同社は、計8社から約156億円の資金調達を実施したという。

 倉橋氏は、食料品店「DEAN&DELUCA」などを展開するウェルカムにおけるラクラク分析レポートの活用事例を紹介した(図2)。ウェルカムはSmartHRを用いて、退職手続きを効率化してきた。その結果、どこの店舗の誰が退職したのかという情報が同サービスに蓄積され、ラクラク分析レポートの活用により店舗ごとのアルバイトスタッフの退職者数がグラフ化される。右上のグラフでは、A店舗の退職者数が多いと分かる。

図2:ウェルカムの画面イメージ(出典:SmartHR) 図2:ウェルカムの画面イメージ(出典:SmartHR)
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 だが食料品店などの場合、アルバイトスタッフは「就職などのタイミングで辞める学生」と「専業主婦など、できるだけ長く働いてもらいたい人」に二分されるという。そのためウェルカムでは、SmartHRを活用した雇用契約/入社手続きにおいて「学生」「主婦」などのフラグを立てている。これにより、設定したフラグごとに退職者数を確認することができる。例えば右下のグラフでは、長く働いてほしい主婦の退職者数はB店舗の方が多いと分かる。担当者はこうした事実を把握することで、原因を特定して対策を取ることが可能となる。

 最後に倉橋氏は「SmartHRでは、人事/労務の業務を効率化する中で重要な情報をデータ化する。顧客はそれらのデータを活用して働く環境を改善することができる。これは、われわれにしか提供できない価値だと思う。データ活用ツールを単体で使っている企業の話を聞くと、必要なデータを整備するために、担当者が週3日さまざまな場所からデータを収集しなければいけないこともあるという。これでは、生産性向上と真逆の動きになってしまう。SmartHRでは、一つのサービスで人事/労務業務の効率化から、データの活用まで一貫して行うことができる」と同サービスの強みを語った。

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