Google CloudとWorkdayによるクラウドサービス事業での戦略的提携は、どのような思惑や背景があるのか。筆者なりに探ってみたい。
WorkdayがGoogle Cloudを「優先クラウドパートナー」に
Google CloudとWorkdayが米国時間8月10日、クラウドサービス事業で戦略的パートナーシップを結んだことを発表した。WorkdayがGoogle Cloudを「優先クラウドパートナー」と位置付けて「Google Cloud Platform」(GCP)上でWorkdayのアプリケーションを利用できるようにするとともに、今後は業種別ソリューションのマーケティングおよびセールスを共同で展開していく構えだ。
両社の提携内容については第一報をご覧いただくとして、ここでは両社の代表者が発表に寄せたコメントの要点を紹介しておこう。
「お客さまはこれまで以上にデータの保存やアクセス、管理の場所に関して、選択肢や柔軟性、開放性の向上を求めている。GCP上でWorkdayを実行することで、エンタープライズグレードのセキュリティやスケーラビリティー、パフォーマンスを維持しながら、データを最大限活用できるようになる」(Google Cloud CEOのThomas Kurian氏、写真1)
写真1:Google Cloud CEOのThomas Kurian氏(出典:Google Cloud)
「両社のパートナーシップにより、お客さまに双方の革新的なサービスをパブリッククラウドによって提供し、投資に対する確固たる価値を得ていただきたい。両社で市場をリードするクラウド機能を提供し、お客さまがデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速できるように支援していきたい」(Workday 共同CEOのChano Fernandez氏、写真2)
写真2:Workday 共同CEOのChano Fernandez氏(出典:Workday)
提携内容で注目されるのは、サービスの連携だけでなく、業種別ソリューションのマーケティングおよびセールスを共同で展開していくことを明言していることだ。お互いに相応のリソースを投入することになるだけに、この提携に向けた両社の力の入れようがうかがえる。また、当初は米国内だけを対象としているとのことだが、両社ともグローバル企業だけに米国内で奏功すれば、日本も含めてグローバルに展開していくだろう。
では、両社それぞれにどのような思惑や背景があるのか。以下、筆者なりに探ってみたい。