米ZDNet編集長Larryの独り言

アップル「iOS 15」「iPadOS 15」「macOS Monterey」で注目したい企業向けアップデート

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2021-09-03 06:30

 Appleはまもなく「iPhone」のリニューアルを発表する予定だとみられているが、それに合わせて展開される「iOS 15」「iPadOS 15」「macOS Monterey」には、企業のデバイス管理を容易にするための機能が数多く追加される予定になっている。企業の管理者には魅力的に感じられるはずだ。

Apple's iOS 15, iPad OS 15, and MacOS Monterey updates aim for businesses

 もちろん、新型iPhoneの発表イベントで、同社のソフトウェアに新たに追加される企業向けの機能が大きな注目を浴びることはないかもしれない。サムスンのイベントでは、コンシューマー向けのデバイスが中心の場合でもビジネス向けの要素が盛り込まれることがあるが、2021年版iPhoneのリリースイベントではコンシューマー向けの機能が中心になるはずだ。

 しかし、Appleの企業向けの施策は重要な意味を持っている。Appleのソフトウェアやハードウェアは、Androidとの間で、B2B分野や教育分野を中心に熾烈な陣取り合戦を繰り広げているからだ。

 簡単に言ってしまえば、この戦いで勝利を収めるのは、管理者や集中管理を行うIT部門にとって苦痛の少ないプラットフォームだろう。Appleが、BYODとデバイスの集中管理の両にらみで競争に臨んでいるのはそのためだ。AppleのOSのアップグレードは通常、新型iPhoneの発表と同じタイミングでリリースが発表されている。

 ここでは、これらのことを念頭に置きながら、企業が知 っておくべきAppleが導入する新機能について見ていこう。

 モバイルデバイス管理(MDM)関連のアップデートと宣言型デバイス管理。Appleは、同社のソフトウェアにデバイスを管理しやすくするための機能を着実に追加している。それに加えて、Jamfなどのモバイルデバイス管理ソリューション企業も、iOSで利用できるソリューションを提供している。

 宣言型管理は、Appleの既存のデバイス管理プロトコルに追加される新機能で、常にポーリングを行わなくても、デバイスの設定やステータスに関するレポートを動的に収集できるようになる。宣言の種類にはデバイスの設定、アセット、アクティベーション、管理の4つがあり、将来性のある設計になっている。また、iOSとiPadOSの設定では、管理されたペーストボードの利用を強制できるようになる。この機能を利用すると、管理下にあるアプリから管理下にないアプリへのコンテンツのコピーアンドペーストを禁止できる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]