ヤマト運輸が自社でDX人材を育成する学校--「Yamato Digital Academy」に迫る - (page 2)

阿久津良和 大場みのり (編集部)

2021-10-04 07:00

デジタルハリウッド G’s Academy Founderの児玉浩康氏
デジタルハリウッド G’s Academy Founderの児玉浩康氏

 教育課程の開発に協力したデジタルハリウッド G’s Academy Founderの児玉浩康氏は、「デジタル人材育成において提案したのは、“学校”という存在。G’s ACADEMYは、技術を活用してDXを実現する人材育成を目指すヤマトホールディングスの方向性と相性が良かった」と解説する。

 そもそもYamato Digital Academyの責任者であるヤマト運輸の中林氏は、前職SOMPOホールディングス時代の2017年3月に、G’s Academyとデータサイエンティスト育成講座「DATA SCIENCE BOOTCAMP」を開講している。Yamato Digital Academyの教育課程にもデータサイエンティスト育成を含んでいるが、基本的な技術の習得、具体的な課題を教材とした学習を前提とする実践的な内容となっている。

 例えば前述のOffice 365であれば、各部署から集まる帳票を改善する講座を実施。「実際のデータを使えるのは一社で取り組んでいる強み」と児玉氏は語る。中林氏は「現場にデータを活用する基礎が生まれてきた。地方の営業所などからも『BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入したい』という要望があり、現場で利用してもらっている」という。

ヤマト運輸 デジタル機能本部デジタルデータ戦略部の今村英恵氏
ヤマト運輸 デジタル機能本部デジタルデータ戦略部の今村英恵氏

 Yamato Digital Academyを受講したヤマト運輸 デジタル機能本部デジタルデータ戦略部の今村英恵氏は、「上司の推薦を受け、データサイエンスBootCampを受講した。事業部門の方々と一緒にデータドリブンを円滑に進めるプロジェクトの講座は新鮮だった。前職でSQLデータ分析などのエンジニアリングは経験済みだったが、教育課程が単なる能力向上研修でなかったのが魅力的。後進にも有益さを伝えたい」と感想を述べた。

 中林氏は「単品のコンテンツではゴールにたどり着けない。必要なコースを連続で受け、その後の継続的なフォローアップを踏まえつつ、経営ツールとして使ってほしい。経営層にも新サービスや新ビジネスを生み出す道具として、教育課程を活用してほしい」と今後の展開を語った。

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