Twilio Japanは9月21日、国内事業戦略と導入事例を解説する説明会を開催した。8月で設立2周年を迎えた同社の代表執行役員 社長 今野芳弘氏は「重要なのは(顧客エンゲージメントを高める)コミュニケーション。茶道なら『おもてなし』をいかに実現するかだ。われわれのTwilioカスタマーエンゲージメントプラットフォームは、多様なチャネルとAPIで接続して柔軟性や拡張性、可用性、速度を高められる」と、Twilioの優位性を強調した。
専門的スキルなしでも電話の世界に対応
Twilio Japan 代表執行役員 社長 今野芳弘氏
TwilioはAPIであり、コミュニケーション機能をビジネス工程やアプリケーションへ組み込むための基盤である。コードなしでTwilioアプリケーションを実行するサーバーレス環境の「Quick Deploy」に加えて、「CodeExchange」と呼ばれるサンプルコード群が用意されている。
コード自身はREST APIをベースにマークアップ言語のTwiMLなどで記述し、「ウェブ系のスキルがあれば大概のことができる。例えば、電話の世界は複雑だが、われわれのサービスを使えば専門的なスキルも不要」(今野氏)
電話の発着信や音声合成、音声のテキスト化などを行う「Twilio Programmable Voice」、SNSメッセージを送受信できる「Send SMS with Twilio Programmable Messaging」を組み合わせれば、多様なサービスの提供が可能になる。法人向け引っ越し業者の米Yemboはビデオ機能を自社アプリケーションに組み込める「Twilio Programmable Video」を活用して、見積もりに必要な内見作業を大幅に軽減し、ビデオチャットによる顧客とのコミュニケーションを実現したという。
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コールセンター業務を自動化
国内ではAI Shift(東京都渋谷区)がTwilioプラットフォームを自社サービスに活用している。同社はチャットボットの「AI Messenger Chatbot」、近年はボイスチャットボットの「AI Messenger Voicebot」を加えて事業展開してきた。
AI Shift 代表取締役 社長 米山結人氏
AI Messenger Voicebotを活用した同社のボイスボット事業について、AI Shift 代表取締役社長 米山結人氏は「音声認識、対話戦略、音声合成と呼ばれる技術を組み合わせ、クライアントの電話応対自動化を目指した。今後大きく普及すると思われる」と説明する。
具体的にはヒアリングや割り込み発話、予約枠の代替案提示といった機能を備え、消費者へ店舗の来店予約などを提供できる。同社は顧客企業に対して「サクセスサポートプログラム」と呼ばれる支援体制を用意し、導入前に必要な要件定義からシナリオ設計、イントネーション調整を行う。