富士通は、三島信用金庫(本店:静岡県三島市)と蒲郡信用金庫(愛知県蒲郡市)の補完業務システムを全国で初めてクラウド化した。
クラウド化された補完業務システムは、勘定系システムから切り出した取引データを使って顧客ごとの信用情報やローン試算を行うデータベース、帳票や検索ツールなどで構成されており、富士通は「FUJITSU Financial Services Solution信金補完標準化サービス SK-Force」(SK-Force)として、全国の信用金庫向けに提供している。
両信金は、オンプレミスで構築していた補完業務システムSK-Forceを、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-V」(FJcloud-V)上に信金ごとの帳票ツールなど独自アプリも含めて環境を構築。三島信金は8月2日、蒲郡信金は9月6日に稼動を開始した。
SK-Forceのクラウド化イメージ図(出典:富士通)
今回のクラウド化による効果は、「システムの初期導入コスト低減や運用負荷の軽減」「高セキュリティ環境とBCP(事業継続計画)対策の実現」「消費電力とCO2削減によるサステナビリティーへの貢献」などが挙げられている。
今回、FJcloud-VのOracle Databaseライセンスをクラウド環境へ持ち込めるサービス(OVM)を利用することで、既存のOracle Databaseを活用でき、再投資することなく容易な移行が実現した。
富士通がSI(システムインテグレーション)やサポートを含め、ワンストップで安全なクラウド環境を提供することで、これまで課題となっていた信金内のマシン室のシステムの保守から解放され、運用負荷が大幅に軽減された。
FJcloud-Vは、FISC(公益財団法人金融情報システムセンター)安全対策基準に準拠している高度なセキュリティ環境を備えており、各信金と安全なネットワークを経由して閉域接続している。
さらに信金内のマシン室での運用から、電力効率の高いデータセンターでの運用にすることで、消費電力とCO2が大幅に削減される。
今後、富士通は両信金に対し、データ管理や口座振替、格付け査定などその他の情報系システムについてもFJcloud-Vでのクラウド化を提案・推進する。