富士通、三島信用金庫と蒲郡信用金庫の補完業務システムをクラウド化--運用コストを低減

NO BUDGET

2021-09-24 15:41

 富士通は、三島信用金庫(本店:静岡県三島市)と蒲郡信用金庫(愛知県蒲郡市)の補完業務システムを全国で初めてクラウド化した。

 クラウド化された補完業務システムは、勘定系システムから切り出した取引データを使って顧客ごとの信用情報やローン試算を行うデータベース、帳票や検索ツールなどで構成されており、富士通は「FUJITSU Financial Services Solution信金補完標準化サービス SK-Force」(SK-Force)として、全国の信用金庫向けに提供している。

 両信金は、オンプレミスで構築していた補完業務システムSK-Forceを、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-V」(FJcloud-V)上に信金ごとの帳票ツールなど独自アプリも含めて環境を構築。三島信金は8月2日、蒲郡信金は9月6日に稼動を開始した。

SK-Forceのクラウド化イメージ図(出典:富士通)
SK-Forceのクラウド化イメージ図(出典:富士通)

 今回のクラウド化による効果は、「システムの初期導入コスト低減や運用負荷の軽減」「高セキュリティ環境とBCP(事業継続計画)対策の実現」「消費電力とCO2削減によるサステナビリティーへの貢献」などが挙げられている。

 今回、FJcloud-VのOracle Databaseライセンスをクラウド環境へ持ち込めるサービス(OVM)を利用することで、既存のOracle Databaseを活用でき、再投資することなく容易な移行が実現した。

 富士通がSI(システムインテグレーション)やサポートを含め、ワンストップで安全なクラウド環境を提供することで、これまで課題となっていた信金内のマシン室のシステムの保守から解放され、運用負荷が大幅に軽減された。

 FJcloud-Vは、FISC(公益財団法人金融情報システムセンター)安全対策基準に準拠している高度なセキュリティ環境を備えており、各信金と安全なネットワークを経由して閉域接続している。

 さらに信金内のマシン室での運用から、電力効率の高いデータセンターでの運用にすることで、消費電力とCO2が大幅に削減される。

 今後、富士通は両信金に対し、データ管理や口座振替、格付け査定などその他の情報系システムについてもFJcloud-Vでのクラウド化を提案・推進する。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]