Googleが、「Accelerate State of DevOps Report 2021」(DevOpsの実践状況を加速させる--2021年版)を公開している。同レポートによると、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境を使用している回答者は、所属組織によって定められたパフォーマンス目標を上回る実績を残す傾向が1.6倍高いという。
この調査の回答者のうち、優秀な実践組織は、それよりも低いパフォーマンスの組織に比べると、配備の頻度は973倍高くなり、配備までのリードタイムは6570倍高速化され、変更に失敗する割合が3分の1になり、失敗時のインシデントからの復旧速度も6570倍高速化されているという。
Googleは7年間にわたってこのレポートを発行してきており、のべ3万2000人を超える世界のプロフェッショナルを対象に調査を実施してきている。
Google CloudのDevOps Research and Assessment(DORA)でリサーチリードを務めるDustin Smith氏は、今回の調査によっても、ソフトウェアデリバリーと業務上のパフォーマンスの優秀さが組織におけるテクノロジー変革をけん引していることが依然として示されていると述べた。
Smith氏は「われわれは今年、サイト信頼性エンジニアリング(SRE)のベストプラクティスや、セキュアなソフトウェアサプライチェーン、品質の高いドキュメント、マルチクラウドの影響についても調査した。その一方で、チームの文化やバーンアウト(燃え尽き症候群)に対してこの1年がどのように影響したかについての理解も深めた」と語った。
「これまでのAccelerate State of DevOps Reportにおける主な知見から、われわれは今回もソフトウェアデリバリー、すなわち配備の頻度と、変更までのリードタイム、復旧までにかかる平均時間、変更に失敗する割合という4つの指標に基づき、チームを優秀/高水準/中程度/低水準というパフォーマンス群に分類した。優秀な実践組織は今年の調査でもソフトウェア配備のペースを加速させ、変更までのリードタイムを1日足らずから1時間未満へと短縮している」(Smith氏)
Smith氏によると、信頼性目標を達成する、あるいは上回る能力の程度を回答者自身で評価してもらったところ、配備のパフォーマンスが異なるチームであっても、業務のパフォーマンスを優先することでより良い結果がもたらされるという知見が得られたという。
また同氏は今年の調査について、世界各地のさまざまな業界の1200人のプロフェッショナルが自らのエクスペリエンスを共有してくれたと付け加えた。