三菱UFJモルガン・スタンレー証券、顧客応対のモニタリングシステム導入--日立ら協力

NO BUDGET

2021-10-05 13:12

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、日立製作所(日立)とFRONTEOの協力のもと、顧客応対の通話を解析・モニタリングするシステムを導入した。

 今回導入したシステムでは、日立の「音声デジタルソリューション」とFRONTEOのAI(人工知能)エンジン「KIBIT」を組み合わせている。通話音声の文字起こしから、チェック対象となるコンプライアンスリスク箇所の抽出、モニタリング担当者への提供までを自動で行う。

 音声デジタルソリューションは、コールセンターや営業所での応対といった通話音声の高度なテキスト化と、業務システムとの柔軟な連携を可能にする。欠損ゼロを追及した全通話自動録音システムと、日立独自の認識エンジンを搭載した音声認識システムを組み合わせている。声の大きさやタイミング、速度などの非言語情報から会話の特徴を捉えることができるほか、業務システムや分析ツールへのスムーズなデータ連携が可能で、音声データ活用の効率化と高度化を支援する。

 KIBITでは、専門家や業務熟練者が備える「暗黙知」を再現した独自の機械学習アルゴリズムを用いて、キーワードに頼らずテキストを解析する。高い自然言語処理技術を持ち、少量の教師データで短時間での高精度な解析が可能で、不正調査、知財戦略、技能伝承、危険予知などの分野で業務の効率化や高度化に貢献する。

 これらの機能により、従来の通話内容の分析/記録作業に要していた時間を大幅に削減でき、全ての応対履歴を検査することが可能となる。モニタリング担当者の経験に頼ることなく、客観的な解析と厳密で徹底したリスク管理が見込まれる。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、適切なサービスを提供するため、これまでも通話記録をモニタリングしてきたが、全国の本支店、コールセンター、担当者が持つ携帯電話などの顧客との会話は一日の総通話時間が数千時間分にも及んでいた。そのため実際に録音を聞いて分析する作業には多くの時間を要するほか、全ての応対履歴を検証することは困難だったという。

 同社は将来的に、新しい仕組みを生かし、通話内容のリアルタイムモニタリングや会話に含まれるニーズの分析など、サービス品質のさらなる向上に取り組むとしている。

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