Asana、「Enterprise ワークグラフ」で企業向け機能を強化

藤本和彦 (編集部)

2021-11-18 12:10

 ワークマネジメント基盤を提供するAsana Japanは11月18日、「Asana Enterprise ワークグラフ」の提供を開始したと発表した。

 ワークマネジメント基盤「Asana」では、「ワークグラフ」と呼ばれるデータモデルに基づいてプロジェクトを管理する。Enterprise ワークグラフは、これに大企業向けのセキュリティ機能や管理機能を強化したものになる。Enterpriseプランの利用が前提となる。

 Enterprise ワークグラフの特徴について、Asana Japan 代表取締役の田村元氏は「アライメント」「部門間の調整」「見える化」「セキュリティと拡張性」の4つを挙げる。

 「アライメント」とは、企業の足並みをそろえることを意味し、Enterprise ワークグラフでは、従業員の仕事と会社の目標がどうつながるかを可視化することによって、組織全体の足並みをそろえる。現在、目標管理機能の充実を図っており、新しいアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の導入によってミッション達成に不可欠なツールからデータやインサイトを収集し、目標と関連付けることでその影響力をモニタリングし、その結果を経営陣の意思決定に活用できるようになるという。また、近日中に目標の状況を自動で更新する機能もリリースされる予定。

Asanaでのアライメント(出典:Asana Japan)
Asanaでのアライメント(出典:Asana Japan)

 「部門間の調整」では、新たなワークフロービルダーが提供される。チーム独自のワークフローをノーコードで作成できるほか、テンプレートをプロジェクトで活用して効率化を図ることができるという。田村氏は「世界のナレッジワーカーの69%は明確なプロセスがあれば個人目標を達成しやすくなると答えている」といい、プロセスの改善によって年290時間の節約ができると話す。

Asanaでの仕事の調整(出典:Asana Japan)
Asanaでの仕事の調整(出典:Asana Japan)

 「見える化」については、企業全体の進行状況を可視化する「プロジェクト横断レポート」がリリースされている。これは、作業量の追跡情報を活用し、効率性を高めたアジャイル開発チームのベストプラクティスに着想を得て生まれた機能という。直近では、データの動向やワークフローを経時的にレポートする機能が追加された。プロジェクト全体の予算に対する支出を日、月、年の単位で追跡し、低効率のプロセスによる時間の無駄も分析可能という。

Asanaでの仕事の見える化(出典:Asana Japan)
Asanaでの仕事の見える化(出典:Asana Japan)

 「セキュリティと拡張性」では、新しい「管理者からのお知らせ」機能を使うことで、IT管理者が組織全体の情報をAsanaで直接更新でき、情報を正しく、適切なチームに適切なタイミングで提供することができるようになるという。さらに、クロスドメインID管理システム(SCIM)の新機能により、グループのセットアップを自動化し、「Okta」や「Azure AD」(近日対応)とプロファイルの更新を同期できるようになる。

 また、監査ログAPIを用いて「Splunk」とセキュリティ情報イベント管理(SIEM)連携が可能になったほか、近日リリースの企業向け暗号化キー管理(EKM)機能で組織独自のデータ暗号化キーが利用できるようになり、データの使用を制御できるようになる。

企業向けに強化された機能の一覧(出典:Asana Japan)
企業向けに強化された機能の一覧(出典:Asana Japan)

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