PHPはウェブやバックエンドの開発でよく使われているプログラミング言語で、かつては非常に人気があった。しかし、ソフトウェアのテストを専門とする企業であるTIOBEが発表したランキングによれば、PHPの順位は下落傾向にある。
TIOBEが発表した2021年11月のプログラミング言語ランキングで、PHPの順位は10位だった。2020年11月のランキングと比べると、順位が2つ下がったことになる。今のPHPは、Python、C、Visual Basic、JavaScriptなどの影に隠れてしまっているのが現状だ。
TIOBEの最高経営責任者(CEO)であるPaul Jansen氏は、「PHPは、かつてはウェブプログラミングで主流の言語だったが、今ではこの分野で厳しい競争に晒されている。ただし、PHPが完全に廃れたわけではなく、今でもPHPに依存している中小企業は数多くある。このため私は、PHPの順位は今後も下がっていくものの、そのペースは緩やかだと考えている」と述べている。
スクリプト言語であるPHPが生まれたのは1990年代半ばのことで、2010年にはTIOBEのランキングで3位にランクインする人気を誇っていた。Microsoftの子会社であるGitHubのランキングでも、それなりの人気は保っているとはいえ、今のPHPはMicrosoftが開発したJavaScriptのスーパーセット言語であるTypeScriptの後塵を拝している。TypeScriptは、型システムを持ち、JavaScriptにコンパイルされる言語で、大規模なウェブアプリケーションの開発によく使われている。
TIOBEのランキングは、いくつかの主要な検索エンジンで実行されたプログラミング言語に関するクエリーの情報を元に作成されている。このランキングは、開発者がどの言語の習得に時間を費やすかを判断する上で役立つ情報源の1つだといえるだろう。
ただし、TIOBEのランキングには多少のクセがある。例えば、TIOBEではJavaScriptの順位は7位になっているが、ソフトウェア開発を専門とする調査会社であるRedMonkのランキングでは、数年前からJavaScriptが首位になっており、2021年第1四半期時点でのPHPの順位は4位だった。どちらのランキングでも共通しているのは、近年ブームになっている機械学習やデータサイエンスの分野で人気があるPythonの順位が大きく上がっていることだろう。
TIOBEが発表したプログラミング言語ランキングのトップ10は、上から順に、Python、C、Java、C++、C#、Visual Basic、JavaScript、アセンブリ言語、 SQL、PHPだった。
また11位から20位までは、Classic Visual Basic、Groovy、Ruby、Swift、R、Perl、Delphi、Go、Fortran、MATLABとなっている。
提供:TIOBE
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。