調査

サイバーセキュリティへの関心高まる--O'Reilly「2022年テクノロジートレンド」

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2022-02-11 08:30

 O'Reilly Mediaの学習プラットフォームに関するレポートの2022年版が発表され、ランサムウェアの蔓延によって開発者がサイバーセキュリティに関心を持つようになっているほか、モノのインターネット(IoT)やゲームの開発で使われている、生まれてから35年以上になるプログラミング言語「C++」に対する関心が高まっていることが明らかになった。ただし開発者らは、競争力を身に付けるために、比較的新しい言語に目を向け始めている可能性がある。

 開発者向けの教育コンテンツを提供しているO'Reillyは、開発者のトレンドを明らかにするために、検索に使用されているキーワードや、同社の学習プラットフォームで利用されているコンテンツモジュールに関する分析を毎年行っている。分析に使用されたコンテンツ利用量とは、オンライントレーニングコース、書籍、動画、オンライン会議などを含む、あらゆる形態の「視聴単位」を集計したものだ。

 同社のプラットフォームでは、サイバーセキュリティに関するコンテンツの利用量が大幅に増えているが、これは、世間の注目を集めた米石油パイプライン大手Colonial Pipelineに対するランサムウェア攻撃や、SolarWinds大手IT管理サービス企業であるKaseyaの顧客に対するソフトウェアサプライチェーン攻撃が発生したことが原因である可能性が高いという。

 過去1年間のランサムウェアのコンテンツ利用量は、前年比で270%増加しており、プライバシーに関するコンテンツは90%、脅威モデリングに関しては58%、アイデンティティは50%、アプリケーションのセキュリティは45%、マルウェアは34%、ゼロトラストは23%コンテンツの利用量が増えていた。

 またIoT製品やゲームの開発者の間で、「C++」への関心が高まっていることも分かった。ソフトウェア品質管理会社のTIOBEの調査でも、C++は上位にランクインしている。

 またO'Reillyは、Mozillaが支援する「Rust」やGoogleが開発した「Go」に関するコンテンツの利用が「急速に増えている」と述べている。これらはどちらも、システムやインフラのプログラミングでよく利用されている言語だ。特にRustは、メモリー関連のセキュリティ問題を回避するために、C++の代わりに使用されることが増えている。RustはMicrosoftAmazon Web Services(AWS)Googleなどで使われており、Linuxカーネルの第2の公式言語に位置づけることについても議論されている。

 Goのコンテンツ利用量は前年比23%増で、Rustは31%増だった。O'Reillyは、Rustに関するコンテンツは前年までほとんどなかったと付け加えている。Rustのバージョンが1.0になったのは2015年のことだ。

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