慶應義塾体育会野球部は、日吉グラウンド(横浜市)に人工知能(AI)カメラを用いた野球専用の自動撮影配信ソリューション「STADIUM TUBE Double Play」を導入し、オープン戦中継プラットフォームの運用を開始した。同ソリューションを展開するNTTSportictが7月27日に発表した。同社によると、日本の学生野球チームがAIを活用した映像中継システムを導入するのは初めてだという。
ソリューションのイメージ
STADIUM TUBE Double Playでは、野球場のキャッチャー側とセンター側に2種類のAIカメラを設置し、複数のアングルを⾃動で切り替えることで、映像制作のノウハウがなくても臨場感のある試合中継を低コストで⾏える。チームの強化に映像を活用できるほか、学生や卒業生などの関係者やファンに試合の映像を配信できる。
試合の実況やスコアボードの入力も可能で、コンテンツを充実させられる。オプションとして広告を挿入したりコンテンツを販売したりする機能もあり、マネタイズ手法としても活用できる。
第一弾のライブ配信は、「夏季オープン戦」における8月16日の京都大学との試合で行う予定。事前の登録は不要で、無料で視聴できる。
キャッチャー側のカメラ
慶應義塾体育会野球部の支援団体である慶應ベースボール倶楽部(KBC)は、野球部の強化支援の一環として、日吉グラウンドでの映像配信について新たな取り組みを模索しており、NTTSportictに打診した。同社が具体的なソリューションを提案し、KBC、野球部、大学、連盟などの関係機関と連携し、今回の導入に至った。
NTTSportictはオープン戦中継プラットフォームを通して、慶應義塾体育会野球部の活動をより多くの人々に届けるとともに、チーム強化に向けた映像の活用も支援するとしている。
今回の導入について、KBC 代表理事の須賀宣興氏は次のようにコメントしている。
「KBCでは現役チームの活動支援として、オフィシャルグッズの企画制作・販売、サマーリーグ・オータムフレッシュリーグの活動支援、慶應義塾大学SFC研究所のベースボール・ラボと連携した企業研究活動のサポートなどを行ってきた。ここに映像配信が加わることで、チームの強化につながる支援活動の幅が広がっていくと期待している。何より、神宮での活躍を目指し、日々鍛錬に励む選手たちのプレーをご覧いただく機会が増えることにワクワクしている。オープン戦の中継を通して、一人でも多くの方の目に触れることを期待している」