Google Cloudは米国時間10月27日、ブロックチェーンをベースとしたプラットフォーム向け製品の開発・管理を行うWeb3開発者向けに「Blockchain Node Engine」を発表した。このフルマネージド型の新サービスがサポートする最初のプラットフォームは、仮想通貨の大手プラットフォーム「Ethereum」となる。
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Google CloudのAmit Zavery氏とJames Tromans氏は同社ブログに「ブロックチェーンは、世界が情報を格納、移送する方法を変革している」と記し、Web3開発者のサポートに向けた同社の取り組みを説明した。
開発者はBlockchain Node Engineを用いることで、ブロックチェーンにセキュアなかたちでアクセスしつつ、フルマネージド型のEthereumノードをプロビジョニングできるようになる。
同サービスを理解するため、いくつかの用語を説明しておくべきだろう。まず、Web3はWorld Wide Webの次なる段階、つまり中央集権的なプラットフォームから脱却する段階を意味している。またブロックチェーンは、ビットコインのために発明された、Web3の基盤となり得るテクノロジーだ。
ブロックチェーンは、永続的に保存される暗号化されたトランザクションデータで成り立っている。データの検証や格納といった処理を中央集中型の機構に任せるのではなく、ブロックチェーントランザクションの履歴をまるごとコピーし、保存するノード(コンピューターやサーバーなどのデバイス)の集合体によって実現される。このため、ブロックチェーンにおけるノードはピアツーピアのネットワークを構成し、最新かつ同期した状態に保たれる。これによりネットワークは分散化され、ブロックチェーンを利用するすべての人が正確なデータを手にできるようになる。
開発者は同サービスを用いることで、希望するリージョンとネットワークを指定しつつ、単一操作で新たなノードをデプロイできるようになる。一方、手動でノードをデプロイする場合、コンピュートインスタンスのプロビジョニングと、Ethereumクライアントのインストールが必要となる上、ノードとネットワークが同期するのを待たなくてはならない。同社ブログには「最初のブロック(すなわちジェネシスブロック)からノードを完全に同期するには数日かかる場合もある」と記されている。
Google Cloudは可用性を保証するため、ノードを積極的に監視し、問題があったノードを再起動している。そのためDevOpsチームが障害に備えておく必要はない。またこの新サービスは、ノードを仮想プライベートクラウド(VPC)ファイアウォールの背後に設置し、「Google Cloud Armor」といった同社のサービスを用いてDDoS攻撃からノードを守ることで、セキュリティ面での保証も提供している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。