NEC通信システムら、ドローン自律制御に向けたリアルタイム位置測位の技術を実証

NO BUDGET

2023-09-15 15:28

 NEC通信システムは、竹中工務店、センシンロボティクスと共に、3次元屋内外位置測位(MBS)の技術を活用したリアルタイム位置測位の技術実証を8月に実施したと発表した。その結果、自律航行型ドローンの制御に向けた屋内外でシームレスな位置測位が実現可能であると確認した。

 MBSは、屋内外を問わずシームレスに測位可能にする技術。今回の技術実証では屋内外を行き交うドローンが、MBSによってリアルタイムで位置測位し、自律制御できるかを検証した。

 実証では、まずMBSサービスを基に数十ミリ秒ごとのリアルタイム測位を行う独自方式の位置トラッカー(MBSトラッカー)を試作してドローンに搭載した。MBSサービスが建設現場において機能することは既に実証済みであるため、今回は屋外において係留状態のドローンを手動で航行させ、ドローンでRTK(複数の全球測位衛星システム受信局を用いた相対測位による高精度測位方式)の位置を測位するとともに、真下の地面に向けてレーザー測距を行い、MBSトラッカー、RTK、レーザー距離計のデータを同時に取得して比較分析を行った。

実証構成の概要
実証構成の概要

 また、MBSサービスの利用やデータの出力先としてクラウドとの通信を行うために、MBSトラッカーと地上との間はプライベートLTE方式であるsXGP(免許が不要なプライベートLTE方式)を用いて高信頼なデータ回線を構築した。

 今回のドローン上での実証により、MBSサービスを基にリアルタイム測位を実現可能であることや、sXGPにより高品質なデータ回線が確保できることを確認できた。また、高さの測位に気圧を利用するMBSに対し、ドローンのプロペラによる気圧の変動の影響についても確認でき、測位誤差の修正に向けた知見を得られた。

 建設現場においてロボットによる定期巡回や物資運搬による作業効率化のニーズが高まっており、特にドローンは路面状況の影響を受けず、建設現場の日々の環境変化に強いため注目されている。

 自律制御を行うには、まず機体の位置の把握が重要となる。しかし衛星測位の技術は屋外においては詳細な位置情報を得ることが可能だが、屋内では利用できない。レーダーや映像を分析し、地図のマッピングと自己位置推定を行う方法があるが、これらの方式は、特徴点の少ない壁面では測位に失敗する場合や、似たような構造をしているフロアの区別ができないなどの弱点があった。

 今後、NEC通信システムでは、このリアルタイム位置測位の技術をドローンの自律制御と連携させ、屋内外をシームレスに運行させる技術を開発することで、建築現場での労働生産性の向上や、物流運搬における改革が期待できるとしている。

実証の様子
実証の様子

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