横浜市立大学とディー・エヌ・エー(DeNA)は、ヘルスケア分野におけるデータサイエンティストの育成に向けて、データソンを9月26日に開催したと発表した。
データソンは、データサイエンティストなどが集まってチームを作り、特定のテーマに対してそれぞれが意見やアイデアを出し合い、分析テーマを企画する。そこから企画に沿った分析を期限内に行い、その発表内容を競い合う。
今回のデータソンでは、DeNAグループでヘルスケア事業を行うDeSCヘルスケアが提供する匿名加工された国民健康保険の健診やレセプトデータなどのヘルスビッグデータを活用し、ヘルスデータサイエンス専攻の学生が分析した。
分析のテーマは「大腿骨を骨折した既往データのある女性を対象とした分析」。多くの自治体で顕在化していると想定されるヘルスケア分野の課題に対し、データによって解決の糸口を発見することを試みた。両者によると、参加者は実際のヘルスビッグデータを活用した分析体験を通じて、リアルワールドデータの特性を再発見し、分析の難しさや課題解決の可能性を実感する機会になったとしている。
データソンの講評をした横浜市医療局からは「実際に行政の企画をする際にもデータの捉え方に悩む場面があるが、データを解釈する過程で難しかったことは?」「さらに深堀していくとしたら、どんなデータ分析をしていきたいか」など、ヘルスビッグデータ活用の実践につながるコメントが寄せられた。
両者は今後も連携し、データサイエンティストの育成やデータを通じた健康課題の解決などへの一助となるよう、ヘルスビッグデータの一層の活用加速化を目指すとしている。