日立製作所とアマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は、ハイブリッドクラウド分野のソリューション展開に向けて、新たに3年間の戦略的協業を開始すると発表した。
両社は、2021年から共同でソリューションの開発と提供に取り組んでおり、2022年には日立のストレージとAWSのストレージサービス「Amazon Simple Storage Service(S3)」が連携した共通データ運用管理と、日立のストレージとAWS間の接続パスの冗長化による可用性向上を図ったほか、2023年には日立がクラウドストレージサービス「Hitachi Virtual Storage Platform on cloud」を提供している。
今回の協業は4月からの3年間になり、生成AIによって加速する企業や組織でのデータ統合や利用のニーズに対応するべく、ミッションクリティカルシステムのモダナイゼーション(最新化)とクラウド移行を共同で推進していくこととする。
主な取り組みでは、オンプレミスにある日立のストレージとAWS上にあるHitachi Virtual Storage Platform on cloudにおいて、共通データ基盤の運用の効率化と自動化を推進するほか、「Hitachi Microservices Platform - Paxos Commit Transaction Orchestrator」を用いて、レガシーなアプリケーション資産とクラウドネイティブ技術が混在するハイブリッドクラウド環境でのオンライントランザクション処理の一貫性を確保できるようにする。
さらに、日立の統合システム運用管理基盤「JP1 Cloud Service」とAWSの「Amazon Bedrock」を連携させ、システム担当者が生成AIとの対話を通じて、障害発生の原因の特定や対応策を検討し、迅速に問題を解決できるようにしていく。
また、日立は現在2000人規模のAWS認定資格保有者を4000人規模に増強する。ミッションクリティカルシステムやクラウドシステムの運用に精通した日立のエンジニアが顧客のシステムの運用改善を支援するマネージドサービス「Hitachi Application Reliability Centers」と組み合わせ、顧客のハイブリッド環境における安定したシステムの稼働を支援するとしている。