日情システムソリューションズ(NSYS)、日立情報システムズ(日立情報)、日立製作所(日立)の3社は12月27日、山形県の舟形町、鮭川村の2自治体と、総合行政情報システムをはじめとした基幹業務システムを、クラウド(SaaS)形態でサービス提供することに合意し、受注したことを発表した。
2自治体は、同サービスを活用することで、システムの更改を短い期間で実現するほか、法改正に基づくシステム変更にも柔軟に対応し、住民向けサービスの向上を目指すとしている。舟形町は2011年2月から、鮭川村は2011年4月から、それぞれ利用を開始する。
舟形町と鮭川村は、総合行政情報システムのシステム更新にあたり、自庁導入型システムからクラウドサービスの利用も視野に入れたシステム導入を検討していたという。舟形町では、手狭となったサーバ室と町庁舎の老朽化による災害時のデータ保全への対策としてアウトソーシングを検討し、鮭川村では住基法改正や今後の法改正対応への電算経費削減を検討していた。
NSYSでは、自治体のさまざまな基幹業務システムを短期間で導入できるクラウド形態でのサービスを舟形町、鮭川村にそれぞれ提案し、採用された。今回の採用にあたっては、多くの自治体向け業務システムを構築してきたNSYSのノウハウに加え、日立グループの高信頼な製品群を組み合わせ、短期間で提供できるサービスが高く評価されたとしている。
具体的には、日立情報が開発し、既に全国で21団体の受注実績がある「e-ADWORLD2/SaaS」に加え、NSYSが開発し、全国で提供している自治体向け住民健康管理業務ソリューションなどを日立の「BladeSymphony」などのハードウェア関連製品や、統合システム運用管理製品の「JP1」などで稼働させ、NSYSが山形県内に設置したデータセンターからネットワークを介してサービスを提供する。システムの形態は、1つのサーバ上で稼働する総合行政情報システムを複数自治体向けに提供するマルチテナント方式を採用。これにより、新たにサーバを設置するより早く稼働環境が整うため、短い期間でのサービス開始が可能になるとしている。
今後もNSYSは、日立グループと連携し、山形県ならびに新潟県内の自治体向けに、クラウド形態でサービスを提供する総合行政情報システムを提案していくという。また日立グループは、自治体向けクラウドソリューションを全国の自治体に拡販していく。加えて、全国のパートナー会社との連携を深め、パートナー会社が自治体向けにクラウドサービスを提供するためのクラウドセンターの設置支援も進めていくとしている。