日本BEAや日本IBMなど7社、開発言語に依存しないSOA対応アプリ開発仕様を策定へ

山下竜大(編集部)

2006-01-23 22:29

 日本BEAシステムズ、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)、日本アイオナテクノロジーズ、日本オラクル、SAPジャパン、サイベース、ゼンド・ジャパンの7社は1月23日、次世代SOA(サービス指向アーキテクチャ)アプリケーションのためのオープン仕様に関するプレス向けの説明会を開催した。

 この仕様は、今回の説明会に登場した7社の米国本社に、Siebel Systems、Xcaliaの2社を加えた9社が、2005年11月30日に米国で発表したもの。SOAの原則に基づくコンポーネントやソリューションを、JavaやC++、PHPなどの開発言語に依存することなく実現できる仕様の策定を目的とした取り組みを展開する。

 具体的な取り組みとしては、業界からの意見を取り込みながら、SCA(サービス・コンポーネント・アーキテクチャ)の仕様開発を継続すると共に、SDO(サービス・データ・オブジェクト)の標準化を推進。開発者に、C++やJavaによるプログラミングモデルをサポートする実行環境を早期に提供することを目指している。

 SCAおよびSDOは、ビジネスロジックやデータの表現を簡略化するために設計された新しいテクノロジー。SCAは、言語に中立なアセンブリーモデルで、ビジネスサービスの開発や組み立てを簡略化することが可能なアーキテクチャ。JavaやWSDL、C++、PHPなど、複数の言語でのサービス組み立てをサポートし、Webサービス、JCA、JMSなど、さまざまな実行環境におけるアクセスサービスを可能にする。

 一方、SDOは、データソースに依存しない共通の表現方法を開発者に提供する共通仕様。サービスの開発やデータアクセスの手法を簡略化し、サービスとデータに関するプログラミングを容易にすることができる。

 このような取り組みが7社(米国では9社)により開始された背景としては、これまでのWebサービス仕様だけでは、SOA実現に必要な機能が足りなかったことが挙げられる。たとえばSOA環境では、JavaやC++、PHPなど、さまざまな言語で開発されたアプリケーションを、最小限のカスタマイズで再利用し、組み合わせることが必要になるが、これまで言語に中立な呼び出し技術(API)は存在していなかった。

 SCAおよびSDOに関しては、現在バージョン0.9が各社の米国ウェブサイトで公開されており、近日中にバージョン1.0がリリースされる予定となっている。今後は、さまざまな開発コミュニティや業界団体などからのフィードバックを反映することで、ライセンスフリーの国際標準として幅広く活用されることが想定されている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    CentOS Linuxアップデート終了の衝撃、最も有力な移行先として注目されるRHELの今

  2. クラウドコンピューティング

    調査結果が示す「Kubernetes」セキュリティの現状、自社の対策強化を実現するには?

  3. クラウドコンピューティング

    標準化されたOS「Linux」で実現するIT環境の効率化、検討すべき9つの事項とは

  4. OS

    Windows 11移行の不安を“マンガ”でわかりやすく解消!情シスと現場の疑問に応える実践ガイド

  5. 運用管理

    AWSに移行することのメリットと複雑さ--監視ソリューションの導入から活用までを徹底解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]