BEA Systemsは2月23日、2006年1月31日に終了した第4四半期および年間の決算報告を発表した。第4四半期の売り上げは対前年比17%増の3億4140万ドルで、年間の総売上は対前年比11%増の11億9980万ドルとなっている。
BEAの会長兼最高経営責任者(CEO)であるAlfred Chuang氏は、「決算では、予測を大幅に超えて、非常に良い結果を発表することができた。2月から始まる第1四半期についてもライセンス売り上げで2桁以上の成長が期待できる」と話している。
この好調な売り上げとBEAの成長を支えているのは、「SOA(サービス指向アーキテクチャ)への顧客の期待によるBEA AquaLogicファミリーの好調な売り上げが最大の要因だ」と、Chuang氏は話している。
そこでChuang氏に、米国におけるSOA市場の現状とBEAの取り組みについて話を聞いた。
--BEAのビジネスが好調なようですね。
ビジネスが好調な背景には、いくつかの要因があります。まずはテレコム分野において新しいトレンドが次々と登場していることが挙げられます。テレコム分野では、たとえばビデオや音声、データ通信の融合が進んでいますし、VoIPの導入や3Gブロードバンド環境が携帯電話市場に導入されています。
このような仕組みを実現するには、既存のサービスを有効に活用しながらビジネスの強化が可能な仕組み、さらに信頼性、可用性の高い、実績のある仕組みが必要であり、BEA WebLogicファミリーが採用されています。
また、2つ目の要因としては、SOAの実装が多くの企業で加速しており、その分野においてBEA AquaLogicファミリーが高い支持を得ています。これからは、やはりサービスを中心としたSOAインフラを中心に考えていくことが重要であり、BEA AquaLogicファミリーはすでに多くの企業で採用されています。
第4四半期には、ライセンス売り上げが対前年比18%増の1億5590万ドルを達成しており、これが好調なビジネスにつながっています。
--BEA AquaLogicファミリーが好調ということですが、どのような分野で利用されているのでしょう。
BEA AquaLogicファミリーに限ったことではないのですが、好調なのはやはりテレコム分野です。企業向けでも、個人向けでも、音声やデータ、ビデオなどを融合した第3世代のモバイル化の実現が早急に求められているからです。
また、金融分野も好調です。金融分野も新しいサービスが次々と登場しているほか、リスク管理やクレジットサービスにおけるリアルタイムの信用チェックなど、幅広分野でサービスに柔軟かつ迅速に対応しなければなりません。こうした分野でBEAの製品群は多く利用されています。
--顧客がBEA AquaLogicの採用を決定する理由は?
(BEA AquaLogicが選ばれる)秘密は、ほかに比較すべき製品がないからです(笑)。これは冗談ではなく、ユーザーには選択肢がないのです。BEA AquaLogicファミリーのように、ESB(エンタープライズ・サービス・バス)からポータル環境、統合開発環境、セキュリティまで完全にパッケージ化された製品は今のところ見あたりません。
--やはり最大の競合はIBMなのでしょうか?
日本に限らず、やはり世界中でIBMは最大のライバルです。これはコンピュータ業界が、これまで30年、40年とIBM中心に成長してきたわけですから仕方のないことです。しかしIBM製品に囲まれている古い世界から、いかにオープンな近代的な世界に顧客を導いていくかがわれわれの仕事なのです。