OSSを活用した基幹系システム構築の裏側を探る--第2回:「構築Suite OSS+」 - (page 2)

鶴田展之(qnote)

2007-10-18 15:00

ノウハウを詰め込んだ構築ガイド

 もちろん、システムは基盤ソフトウェアだけで完結するものではない。OSSを活用したシステム構築を成功させるには、その業務に携わるエンジニアがどれだけOSSに対するノウハウを持っているかも重要な要素である。

 そこで構築Suite OSS+では、同社のLinux/OSSに対するノウハウを、「構築ガイド」として文書化している。具体的には、Linuxによるシステム構築手順や問題になりやすいポイントをまとめた「Linux版構築ガイド」や、検証センターによるOSS組み合わせ検証のレポート等がNEC社内で公開されており、同社のSEや営業担当者は、専門の評価チームから提供される最新のフィードバックを得ながらシステム提案や構築を進めることができる。

 異なるバージョン間の非互換など、OSSに限らずシステム構築にあたって試行錯誤が必要になる局面は多いが、構築ガイドによって手順や重要なポイントが標準化されていることは、開発工程の短縮や障害可能性の低減など多くのメリットに繋がるのである。

柔軟な組み合わせ

 さて、一般にひとつのソフトウェアスタックでユーザの要求を100%満たすのは難しいのが当然である。例えば開発言語にJavaではなくPHPを使いたいとか、ユーザ認証にOpenLDAPを利用したいといったケースも想定できるだろう。

 構築Suite OSS+では、こういったユーザの要望に対し、必要なソフトウェアの追加や入れ替えも可能だ。こういった柔軟な対応の背景には、サポートサービスの対象として多数のOSSの検証を行っているという強みがあるが、ここで紙幅が尽きた。

 次回は、同社のOSSエンタープライズ・ソリューションにおけるサポートサービスについて、詳しく紹介していくことにしよう。

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