英語ができるとダイエットにも成功する!?--エリック松永の英語道場(2) - (page 2)

エリック松永

2008-06-16 08:00

 しかし実体はどうでしょう。ダイエットの世界はどうなっていますか? 「食べてもやせる」、「運動しなくてもやせる」、「何もしなくてもやせる」など、王道を否定した方法が着目されています。それは、多くの人が王道の方法論がうまくいくとわかっているから、その否定形が注目されるのです。英語はどうでしょう? 「文法はいらない、流し読みするだけ」、「聞くだけでリスニングが完璧」、「聞き流しで英語がペラペラ」といった魔法のような言葉が心をくすぐります。

 営業妨害をするつもりはありませんが、こんな例はどうでしょうか。「テープを聴くだけでJavaの達人」、「寝ているうちに最高のプロジェクトマネージャーになれる」、「脳を活性化するだけのエンタープライズアーキテクチャ」。試してみたいでしょうか。仕事に置き換えるとこっけいな感じがしますが、話が英語となるとコロっとだまされてしまいます。なぜでしょうか? それは、しんどいことが嫌だからです。そして、楽をしたいという気持ちの裏には、ダメ元の気持ちがあるのだと思います。もちろん私もしんどいことは嫌いです。でも、無駄な時間はもっと嫌です。

目標を明確に設定するために

 ダイエットは何のためにするのでしょうか? 「あのブランドの素敵な服が着たい」、「彼氏に好かれる体型になりたい」、「モテたい」など、いろいろあるでしょう。では、そういった目標がはっきりしていない状態で「10キロやせる」や「体脂肪を4%落とす」などを実現しようとするとどうでしょう。目の前にあるおいしいお料理を我慢できますか?

 英語も同じです。「TOEICで700点を取る」という目標ではなく、「TOEICで700点を取ってこうしたい」というその後の目標を明確にしましょう。映画を英語で観たい、外国で友達を作りたい、米国のベストセラー本を原書で読みたいなど、何でもいいのです。TOEICの点数そのものは、決して目的ではないのです。

モチベーションの秘密はマズローにあり

 「いきなり目標を明確にしろと言われても……」と、戸惑う人もたくさんいると思います。そんな時に面白いヒントがあります。世界のナベアツは3の倍数でアホになりましたが、英語の学習も3の倍数と同じように頻繁に「やる気」が失せます。ナベアツの「オモロー!」に対して、Ericの英語道場では、「マズロー!」といきましょう。

 マズロー(Abraham Maslow)は、人間性心理学の生みの親とされる心理学者で、人間の自己実現を研究しました。彼の主張した欲求の階層を、Ericの英語道場では目標設定のバイブルとします。マズローは自己実現の欲求を5つの階層に分類しました。この階層モデルをベースにあなたの目標を設定しましょう。

 マズローの階層モデルは、次の5つから構成されます。

  • 1層:生理的欲求
  • 2層:安全欲求
  • 3層:所属欲求
  • 4層:尊敬欲求
  • 5層:自己実現欲求

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