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「モニタリングで現場の課題を可視化、システムを作りっぱなしにはしない」--富士通・野副氏

大河原克行

2009-05-14 20:35

 5月14、15日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで富士通が開催する「富士通フォーラム2009」の初日に、同社代表取締役社長である野副州旦(のぞえ・くにあき)氏が「富士通の変革 お客様のかけがえのないパートナーに」をテーマに基調講演を行った。

 講演の冒頭、野副氏は、前年の同フォーラムの基調講演を務めた前社長の黒川博昭氏が講演の最後に使用した「もっとお客様のビジネス」と題したスライドを掲示し、「富士通にとって、ITが使われていることがいいのではなく、ITがお客様のビジネスを良くするものであることが大切だ」とコメント。ユーザー企業起点でのビジネスの考え方を徹底していること、それが前社長から続くものであることを強調した。

野副州旦氏 「3つの起点から変革に挑む」と語る富士通代表取締役社長の野副州旦氏

 その後で野副社長は「3つの起点の変革に挑む」として、「お客様のビジネスを良くすること(お客様のお客様起点)」、「Think Global, Act Local(グローバル起点)」、「お客様の環境負荷を低減(地球環境起点)」を挙げ、それぞれについて言及した。

 「お客様のビジネスを良くすること(お客様のお客様起点)」では、富士通にとっての顧客企業におけるITの利便性向上だけでなく、顧客の先にある“顧客の顧客”にとっての利便性向上なども必要だとし、「お客様が持つ現場、フィールドでの改善、課題解決を図ることが大切。これまで富士通では、企画、開発、保守といった点ではSE、営業、コンサルティングが活躍をしていたが、運用するという点では体制が整っておらず、どこまで活用現場を見てきたのかという点で反省があった。業務はITと人とプロセスで運用されるものであり、システムの課題は業務運用から見えてくる」などと語った。

 富士通では、2007年にフィールドイノベータ制度を開始。2007年10月に第1期生として150人、2008年10月には第2期生として167人を、フィールドイノベータとして育成。「15年以上の実務経験者を、ぽっかりと空いていた『運用』の領域にあて、現場、現物、現実を見て、カスタマウォッチング、あるいはカスタマモニタリングできるようにした。フィールドイノベータの育成は、すでに最終ステージに入っている。運用の改善やシステム改善のポイント発見、お客様のモニタリングを行うことで、課題を可視化することが大切。富士通は、システムを決して作りっぱなしにはしない」とした。

 また、富士通自身が取り組んだ受注・手配の基幹システム「FOCS」の再構築について触れ、「富士通は自分で実践しないものを提案できるのかと言われないように、25年間稼働し、1300ものインターフェースを持ち、6メガステップにものぼる肥大化したシステムを、2年をかけてSAPを中核とした新システムに再構築した。SAPを採用することには社内から多くの反対があり、なんでこんなにお金がかかるんだというという声も社内にはあったが、これを進めることでさまざまな経験ができ、結果として、経験がお客様への提案に生きることになる」などとした。

 「Think Global, Act Local(グローバル起点)」の考え方では、「“Act Local”は大変重要なものだが、日本市場そのものがグローバル化しているように、グローバルのことを考えないと生き残れない。マイクロソフト、シスコ、インテル、オラクル、SAP、レッドハットといったパートナーシップを50対50の関係で構築するうえでも、富士通が日本だけでビジネスをやっているのではなく、グローバルでパートナーシップが組めるということが必要だ」とする一方、「日本はひとつのマーケットにすぎないという考え方が、これからの富士通には必要である」と語った。

 さらに、「データセンターを核にしたサービスをやっていくことが、グローバル展開の近道」として、データセンター事業を核に、この分野において富士通が得意とするサービス、セキュリティ、電源管理などの付加価値で差別化する姿勢を見せた。

 一方でグローバル化では、国や地域ごとの体制ではなく、それぞれに適した体制構築が必要だとして、「オーストラリアのビジネスのやり方を見ると、英国のモデルと同じであることがわかったため、英国の傘下においた。またインドでは、パートナー関係の構築がこれから重要であり、ここに大きなノウハウを持っている富士通テクノロジーソリューションが統括する形にした。こうしたグローバル視点での判断も必要になっている」と、新たな体制構築のなかにも“Think Global”の発想を起点としていることを示した。

 3つめの起点となる「お客様の環境負荷を低減(地球環境起点)」では、富士通がITを通じた取り組みを行っていること、第三者機関の調査でも富士通が、環境配慮をしている企業として世界的にも高い評価を得ていることなどを紹介。さらに、同社の環境戦略でイメージキャラクターを務めている女優の松たか子さんから「ITを利用することで、環境を未来に残してほしい」という言葉を贈られたことを示し、「富士通は、持続可能な環境へ取り組みを行っていく」と語った。

 最後に野副社長は、同社グループの理念・指針である“FUJITSU Way”の言葉を示しながら、「FUJITSU Wayは、前任の黒川が私への警鐘、置き土産として残したもの。FUJITSU Wayにあるように、富士通グループは常に変革に挑戦し続け、お客様のビジネスに貢献できる会社に成長することを目指す。富士通フォーラムは来年、再来年と約束した進化を示す場にしたい」と締め括った。

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