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サービスって何だ?

飯田哲夫(電通国際情報サービス)

2009-07-13 13:30

 7月10日(金)の日本経済新聞。「ドラゴンクエスト9」の発売を解説する記事見出しに「ソフトがハードを選択」とある。かつてはハードの提供者であるゲーム機メーカーが、ソフト開発会社を囲い込んでいたが、今はソフト会社がハードを選ぶようになっているという。今回の場合、ドラクエ9の開発元であるスクウェア・エニックスが「ニンテンドーDS」、つまり携帯端末を選択したことが記事のポイントとなっている。

ハードからソフトへ

 家庭用ゲーム関連ビジネスにおいて、当初の主役はゲーム機というハードであり、ゲームソフトはハードの販売を延ばすための補完ビジネスとして捉えられてきた。しかし、日本経済新聞の見方では、ゲームソフトは補完ではなく、家庭用ゲームの世界における主役へと躍り出たようだ。

 ビジネスソフトウェアも、もともとハードウェアビジネスを補完するものとして捉えられてきた。故に、メインフレーム初期の時代には、ソフトウェアはハードウェアのおまけとして取り扱われていた。しかし、その後、ハードウェアのコモディティ化が進行し、ビジネスの中心はソフトウェアへ移りつつあることは周知の通りである。

 IBMがPCビジネスから撤退する一方、ソフトウェア企業を次々と買収するのも、OracleがSun Microsystemsを買収するのも、実は大きな流れは一緒なのだと思う。ハードウェアが中心であったIBMは、ビジネスの主軸をソフトウェアへ移そうとする一方、ソフトウェアがそもそも主軸であるOracleは、それを補完するものとして、ハードビジネスから脱却できなかったSunを買収するのである。

そしてサービスへ?

 そしてその先どこへ向かうのか? 最近何でもかんでも「サービス化」と言えば、時代の最先端であるかのような風潮がある。かつてIBMがサービスビジネスを成長の牽引役とした時、それはソフトウェア開発などの“サービス”提供であった。しかし、受託開発はもはや流行らず、ソフトウェアを“サービス”として提供することが最先端である。

 ところで、これは我々が普段言うところの“サービス”なのだろうか? たとえば、生活を例にとって“空腹”というニーズを満たすことを考えると、スーパーマーケットに売っている素の食材は“商品”であるが、それらを仕入れて“カレー”を作って食べさせてくれるのは“サービス”だろう。

 それに対して、受託開発などのサービスは、レストランで特注品を長い時間掛けて一から作ってもらうようなもので、客側からすると待ちくたびれてしまう。一方のSaaSは、レストランにレトルトカレーと電子レンジが置いてあって、食べたいときに好きなだけ食べられるといった感じである。どちらもサービスとしてはイマイチだ。

“サービス”に感じる違和感

 別に受託開発が悪いわけでも、SaaSが悪いわけでもないのだが、すべてに“サービス”というラベルを付けることには、何か違和感を感じる。もし“サービス”が、何らかのビジネスニーズを満たすことであるならば、“サービス”と名の付くものはビジネス課題の何を解決するのか、もう一歩踏み込むべきだろう。SaaSよりも(最近あまり耳にしないが)BPOの方が、よほどサービスだと思うのだが。

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