MicrosoftがBest Buyの店頭スタッフ向けにトレーニング教材を用意し、LinuxよりもWindowsを売るように仕込んでいることが話題となっている。正直なところ、Microsoftが時間と予算を投じてこのような資料を作成していることに私は驚いている--Linux PCは市場の1%を占めるに過ぎないのだ(もちろん、Linuxサーバとなると話は違ってくる。Microsoftは引き続きフォーカスする必要がある)。
Ars TechnicaはBest Buyのトレーニング教材の詳細を暴いているが、こちらは「Windows 7」をMacと対比して、どのように売り込むかという資料だ。MicrosoftがApple対抗に費やしている時間、労力、予算を考えると、この資料は対Linuxのものより意味があり興味深いと私には思える。
Ars Technicaが掲載したスライドによると、Microsoftは資料中、TVコマーシャルの“ラップトップハンター”シリーズと同じようなメッセージをプッシュしているようだ--Windows PCは低価格で多くの機能を搭載しているというものだ。あるスライドには、ユーザーはMacではなく同等のスペックを持つWindowsを選ぶと、最大で300ドル節約できる、とある(Ars Technicaの記者、Emil Protolanski氏は、どうやって300ドルという数字を割り出したのかが疑問だと記している。スライドには詳細情報はない)。
他にも、Windows PCはMacと比較してカスタマイズオプションが多い、ゲームが多い、アプリケーションが多い、などとスライドには書かれている。また、あるスライドではWindows 7のドックとMac OS Xのドックを対比し、Windowsのドックは「親しみやすくてよい」と主張している(Ars Technicaが指摘しているように、Windowsチームはこれまで、WindowsとMacの2つのドックを公の場で比較しないよう注意を払ってきた)。
Appleは「(Windowsからの)移行ユーザー」というコンセプトに基づいたキャンペーンを構築しており、実際、以前Windowsを利用していたがMacに移行したというユーザーは多い(私は、Macに移行したという人からよく電子メールをもらう)。しかし、新しくPCを購入しようとする消費者が、すでに小売店に足を運んでいる時点で、Windows PCを買うか、Macを買うかで同じぐらい選択にオープンか、となると疑問だ。多くの消費者は購入を決めた時点で、Windows PCかMacかを決めているのではないか。
MicrosoftはBest BuyのスタッフにWindows PCとMacを比較するためのトレーニングを行う必要があるだろうか?Microsoftはその予算を、「Windows XP」から「Windows 7」にアップグレードするようトレーニングすることに割く方が得策だと私は思うのだが。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ