AppleはMac OS Xのエコシステムに影響のある58件の脆弱性を修正する巨大パッチを公開した。
セキュリティホールの多くは、遠隔からの攻撃者に未パッチのシステムに対する完全な制御を許してしまうもので、このアップデートの重要性は「極めて重大」にレーティングされている。
今回のアップデートには、ApachやPHPなどのオープンソースコンポーネントに対するパッチや、QuickTimeのセキュリティホールに対するパッチも含まれている。
以下に、セキュリティアップデート「2009-006 / Mac OS X v10.6.2 」が対象としている問題のうち、重大なものをいくつか挙げる(訳注:各項目の説明はAppleのサポートページから抜粋したものである)。
- AFPクライアント:AFP クライアントには、メモリ破損の原因となる問題が複数あります。悪意のある AFP サーバに接続すると、システム権限によって、システムが突然終了されたり、任意のコードが実行される可能性があります。
- Apache:Apache における複数の脆弱性が原因で、もっとも深刻な場合は、権限が昇格される可能性があります。このアップデートでは、Apache をバージョン 2.2.13 にアップデートすることによって、この問題に対応しています。
- Apache:Apache Web サーバでは TRACE HTTP メソッドが許可されています。リモート攻撃者は、この機能を悪用し、特定の Web クライアントソフトウェアを通じて、クロスサイトスクリプティング攻撃を行う可能性があります。
- Apache Portable Runtime:Apache Portable Runtime (APR) には、整数オーバーフローに関する問題が複数あり、アプリケーションが突然終了したり、任意のコードが実行される可能性があります。
- ATS:Apple Type Services による埋め込みフォントの処理には、バッファのオーバーフローが発生する問題が複数あります。このため、悪意を持って作成されたフォントが埋め込まれている文書を表示またはダウンロードすると、任意のコードが実行される可能性があります。
- CoreGraphics:CoreGraphics での PDF ファイルの処理では、整数のオーバーフローが何度も発生し、ヒープバッファがオーバーフローする可能性があります。悪意を持って作成された PDF ファイルを開くと、アプリケーションが予期せず終了したり、任意のコードが実行される場合があります。
- CoreMedia:H.264 ムービーファイルの処理時にメモリ破損が発生するという問題があります。悪意を持って作成された H.264 ムービーファイルを再生すると、アプリケーションが突然終了したり、任意のコードが実行される可能性があります。
- CUPS:CUPS 内の問題によって、クロスサイトスクリプティングおよび HTTP レスポンス分割攻撃が引き起こされる可能性があります。悪意を持って作成された Web ページや URL にアクセスすると、現在のローカルユーザが利用できるコンテンツ (プリントシステムの構成や、印刷された仕事先の役職など) に、攻撃者が CUPS Web インターフェイスを介してアクセスできるようになる可能性があります。
- 辞書:Dictionary には設計上の問題があり、悪意を持って作成された Javascript によって、ユーザのファイルシステム上にある任意の場所に任意のデータが書き込まれる可能性があります。これにより、ローカルネットワーク上の別のユーザが、ユーザのシステム上で、任意のコードを実行できるようになります。
- DirectoryService:DirectoryService には、メモリ破損の原因となる問題があります。このため、リモート攻撃者によってアプリケーションが突然終了されたり、任意のコードが実行される可能性があります。このアップデートは、DirectoryService サーバとして構成されているシステムにのみ関連するものです。
- ディスクイメージ:FAT ファイルシステムを含むディスクイメージの処理には、ヒープバッファのオーバーフローの原因となる問題があります。悪意を持って作成されたディクスイメージをダウンロードすると、アプリケーションが突然終了したり、任意のコードが実行される可能性があります。
- Dovecot:dovecot-sieve には、バッファオーバーフローの原因となる問題が複数あります。悪意を持って作成された dovecot-sieve セキュリティを実装すると、ローカルユーザが、システム権限を使って、アプリケーションを突然終了させたり、任意のコードを実行できるようになる可能性があります。
- ImageIO:ImageIO で TIFF 画像を処理すると、バッファのアンダーフローが発生する可能性があります。悪意を持って作成された TIFF 画像を表示すると、アプリケーションが予期せず終了したり、任意のコードが実行される可能性があります。
- カーネル:カーネルのタスク状態セグメントの処理には、入力検証に関する複数の問題があります。これにより、ローカルユーザによって、情報が漏洩されたり、システムが突然シャットダウンされたり、任意のコードが実行される可能性があります。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ