2010年に入ってから、マイクロソフトの発表が相次いでいる。
ZDNet Japanでも、今年に入ってから、マイクロソフト関連の記事が相次いでいるのは読者も周知の通りだろう。実際、会見の予定を記入する手帳には「マイクロソフト」の文字ばかりが並んでおり、毎週2、3回はマイクロソフト関連の会見が入っている状態だ。それだけ、マイクロソフトが新たな製品を相次いで準備しているということになる。
本コラムでは、Windows 7発売直前の昨年10月の時点で、ビジネスユーザーはWindows 7以降に発表されるプロダクトに注目すべきとの内容を掲載したが、まさかこれだけ細かく発表が相次ぐとは思っていなかった。マイクロソフトによる情報発信の頻度は、Windows 7が発売された2009年以上かもしれない。
先週(2月15〜19日)にマイクロソフトが行った会見だけを羅列しみても、クラウド導入計画策定支援コンサルティングサービス「ITAP for S+S(IT Architecture & Planning for Software Plus Services)」や、千葉県と提携した「地域活性化協働プログラム」、広島市と発表した障がい者や高齢者向けのICT利活用プロジェクトの連携、そして「SQL Server 2008 R2」の発売日や価格の発表と会見が相次いだ。
千葉県と広島市との会見には、マイクロソフト社長の樋口泰行氏自らが出向いて会見を開いたほか、SQL Server 2008 R2の会見では、競合他社が採用しているコア単位でのライセンス体系に対して、サーバ単位および物理ソケット単位での料金体系としている優位性を強調してみせた。そのほかには、一部の記者に限定して、新宿の本社で行われた、シニア情報生活アドバイザー向けのWindows 7セミナーの様子を公開するといった動きもあった。
一方で海外では、「Windows Phone 7 Series」の発表や、OfficeとSNSの連携を図る「Outlook Social Connector」の発表。さらには、EUの欧州委員会が米Microsoftと米Yahooの提携に関して承認。マイクロソフトのインターネット検索事業および広告事業の強化に大きな一歩を進めるという動きも見られた。
今週もマイクロソフトは相次いで会見を行う。
2月23、24日に開催される開発者向けイベント「Microsoft tech・days 2010」の開催前日に、Windows Azureに関するプレス向け説明会を実施。米Microsoftのプラットフォームストラテジー担当シニアディレクターであるTim O'Brien氏と、マイクロソフトの執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部の大場章弘氏が説明を行う。
また、tech・daysの期間中もAzureに関するプレス向けイベントが予定されており、もうひとつの注目ポイントである「Visual Studio 2010」とともに、さまざまな媒体でそのレポートが相次ぐことだろう。
さらに今週は、定例で行われている「Office 2010」に関するプレスセミナーも開催されることになっている。Office 2010は、これから半年間に渡って、注目を集めることになるだろう。発売時期は日米ともに6月となる公算が強いが、すでに2009年11月からベータ版のダウンロードが開始されており、あわせてOffice 2010の新機能を定例の報道関係者向けセミナーなどを通じて、小出しに紹介し続けている。
関係者の声をまとめてみると、Office 2010については、4月にも開発最終版となる「RTM(リリース・トゥ・マニュファクチュアリング)」が完成し、それとともに企業向けのボリュームライセンスの開始や、日本では発表されていない価格やマーケティング施策も相次いで発表されることになるだろう。
こうしたOffice 2010の動きとともに、今回の製品からOfficeの冠がとれる「Visio 2010」「Project 2010」「SharePoint Server 2010」のほか、「Online Services」といった製品、サービスの発表も相次ぐほか、Windows Liveも2010年春から夏にかけて、次世代の「Wave 4」へと移行することが明らかになっている。
こうしてみると、2010年はマイクロソフトにとって近年希に見るリリースラッシュの1年となるようだ。手帳の「マイクロソフト」の文字もまだまだ増えるに違いない。