シーメンスPLMソフトウェアは5月20日、中国・上海でプレスカンファレンスを開催し、CAD、CAM、CAEを包含する統合ソリューション「NX 7」に多くの機能が追加されたことを発表した。また、あわせて製品ライフサイクル上の意思決定を支援するフレームワーク「High Definition PLM」(HD-PLM)も発表している。NX 7と製品ライフサイクルの管理基盤「Teamcenter」は、HD-PLMに対応している。
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プレスカンファレンスでは、Siemens PLM Softwareで社長を務めるHelmuth Ludwig氏が、多数のコンペティションで競合企業の製品に勝利したことを説明。自動車メーカーのAudiをめぐってはDassault、PTC、SAPに、電機電子機器メーカーのEmersonではOracleに勝利したことなど、計40例の実績を挙げている。Ludwig氏はその理由を次のように分析している。
「DassaultやOracleなど非常に強いベンダーがいるなかで、個別の産業に特化した製品を求める顧客はSiemens PLM Softwareを選択している」
「製造業では、明日必要なイノベーションを今、どう取り込むかが重要。製品のアイディアを創出するだけでなく、最も効率的な手法で、他社をしのぐスピードで生産につなげなければならない」
しかし、製品ライフサイクル管理の分野にも課題はある。Ludwig氏はその代表例として「増大するデータ」「複雑化する製品」「品質」を挙げた。現在の自動車では多数の電子制御ユニット(ECU)が使われており、その数は100以上にのぼることもある。Ludwig氏は「どのユニットの、どのソフトで、どのバージョンが使われているか――開発者はこれを把握する必要がある」という。こうした複雑化する製品の設計と開発で重要なのが、製品ライフサイクル管理(PLM:Product Lifecycle Management)というわけだ。