この数年で企業がシステムに蓄積されるデータを活用する、ビジネスインテリジェンスに大きな注目が集まっている。連動する形でビジネスインテリジェンスの基盤となるデータウェアハウスも大きな動きを見せている。そうした中で大手ベンダーである米Teradataはどんな価値をユーザー企業に提供するのか。同社の最高技術責任者(CTO)のStephen Brobst氏に話を聞いた。
“データの嵐”がやって来た
――今回の「Teradata PARTNERS 2010」では“ビッグデータ”が大きく注目されている。
Brobst ビッグデータがメインテーマになると言えるだろう。このビッグデータには2つの側面がある。1つがソーシャルメディアなど、テキストのような非構造型データだ。もう1つがセンサから収集されるデータだ。“データの嵐”がやって来たということだ。
センサデータに関していえば、たとえばクルマを運転しているときにもデータが収集される。燃費や運転の効率などのデータだ。これを分析することで、運転の癖が認識され、その運転の癖のデータが整備工場に送信され、クルマの整備に役立てることができる。
――そうしたクルマから収集されるデータがデータウェアハウスに格納され、分析されることもあり得るのか。
Brobst クルマから出ないデータというのもあるだろう。たとえば、バックするときに電柱にぶつかりそうになってアラームが鳴るという時に、そうしたデータはデータウェアハウスに入れる必要はないだろう。つまり、センサデータでも、事故防止のためのセンサのデータはデータウェアハウスに入れる必要はない。
データウェアハウスは解析するためのものであり、パターンを見たい、どんな状態でアラームを鳴らすべきか判断するために、センサのデータをデータウェアハウスに入れることになる。クルマの中でローカルに活用するデータとデータウェアハウスで分析するデータとを分けることができるだろう。
足りない部分はパートナーシップを組めばいい
――Teradataは9月にClouderaと提携し、Teradata PARTNERS 2010の開催期間中にKarmasphereとの提携を発表している。この2社はどちらも、分散並列処理基盤のソフトウェアフレームワーク「Hadoop」の関連ベンダーだ。違いはどこにあるのか。
Brobst いい質問だ。Clouderaは、オープンソースであるHadoopのサポートを提供する企業だ。Linuxのサポートを提供するのがRed HatやNovellであるのと同じように、ClouderaはHadoopに対するRed Hatのようなものだ。Karmasphereは、Hadoopアプリケーションにデスクトップから管理するアクセスツールを開発している企業だ。