日立情報システムズ(日立情報)は12月3日、従来提供してきた各種SaaSおよびクラウド型サービスを組み合わせ、プライベートクラウド環境を企業内に構築する「プライベートクラウド構築ソリューション」を本格展開すると発表した。
これまで日立情報では、ユーザーのTCO削減、システム延命、在宅勤務対応などの要望に応えるため、仮想化環境導入を支援する仮想化ソリューション「VSolution」を展開してきた。一方、全国のデータセンターで展開するハイブリッドアウトソーシング「BusinessStage」、各種SaaSソリューション、セキュリティクラウドサービス「SHIELDeXpress」などのクラウドソリューションも提供している。
今回、本格展開するプライベートクラウド構築ソリューションでは、これらの各種仮想化、SaaSおよびクラウド型サービスを「仮想プラットフォーム」「アプリケーション環境」「ネットワーク・セキュリティ」「デスクトップ環境」の4分野に集約して、ユーザー専用のクラウド環境を構築する。
同ソリューションでは、日立情報の仮想化技術、クラウド構築技術、データセンター運用技術を結集。クラウドを利用したシステムの構築、運用技術を組み合せて、使いやすく信頼性の高いプライベートクラウドを短期間で構築できるという。また、全国に展開する日立情報のデータセンターを利用することにより、システムの運用負荷も軽減できるとしている。プライベートクラウドを利用してユーザーのシステム環境で稼働しているアプリケーションや業務パッケージをSaaS化することにより、企業情報システムのライフサイクルの最適化を支援する。
合わせて、在宅勤務や海外勤務、外出先からのモバイルアクセスなど、多様な働き方を支援するセキュリティ技術を付加した仮想デスクトップ環境と、パブリッククラウドを含めた複数のクラウドサービスの認証をシングルサインオンで利用できる「統合ID認証サービス」も提供する。
日立情報では同ソリューションを通じて、仮想化されたシステム基盤上にユーザーの業務、業種に適したプライベートなSaaS、PaaS、IaaSを構築する多彩なサービスメニューを提供する。同社では、このプライベートクラウド構築ソリューションを、日立グループのクラウドソリューション体系である「Harmonious Cloud」のひとつとして、大規模企業、中堅規模企業に展開し、2012年度に200億円の売上を目指す。