IT企業と開発者による復興支援プロジェクト「Hack For Japan」

冨田秀継 (編集部) 2011年03月22日 17時55分

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 東日本大震災の被災者支援サービスの開発を目的とするイベント「Hack For Japan」が、3月19日〜21日の3日間にわたって開催された。グーグルが旗振り役となり、多くの開発者と賛同企業が、より役立つ災害復旧支援サービスの開発に挑んだ。

 Hack For JapanはGoogle Waveでブレインストーミングし、Google Moderatorでアイデアの創出と投票を実施するなど、オンラインでの活動を中心としたが、京都、福岡、岡山、徳島では開発者が実際に集まってプロジェクトを進めた。3月19日と20日を「ideathon」としてアイデア出しを行い、21日を「hackathon」としてその実現に取り組んだ。

 「震災直後から、気持ちとしては絶対に何らかの形で(復興に)協力したいと考えていた」--そう語るのは関東から京都会場に駆けつけた開発者の一人、Google API Expertの白石俊平氏だ。グーグルの山崎富美氏(@fumi)を通じてHack For Japanの開催を知り、仕事を終わらせて電車に飛び乗った。京都に着いたのは20日の夜だった。

 21日の会場では「これまで体験したことのない熱気を感じた」という。その様子は「一言では表現できない」ほどだった。「あえていうなら“ボランティア精神”だろうか。みんなのすごい善意を感じた。打算無く“良いことをしよう”という意味で一丸になっていたかもしれない」

 京都会場のハッカソンには、はてなのエンジニアも参加した。同社は3月19日、ブログに「Hack For Japanに賛同します」をポストしており、社長の近藤淳也氏も会場に足を運んだ。イベント終了後、Twitterで「Hack for Japan終了。これは新しいボランティアの形ですね。しっかり必要としている人に届けるまでいけると良いですね」とつぶやいている

Hack For Japan以後に何をするか

 Hack For Japanには多くの企業が賛同した。グーグル、楽天、ヤフー、日本マイクロソフト、Twitter、Amazon Web Services、セールスフォース・ドットコム、OpenStreetMap、はてな、ミクシィ、Evernoteが賛同企業に名を連ね、これらの企業のサービスやテクノロジが開放された。

 日本マイクロソフトのテクニカル ソリューション エバンジェリスト、西脇資哲氏は「かなり(たくさん)のアイデアが出てきた」とideathonを振り返る。Hack For Japan特設サイトの「プロジェクトリスト(議論のまとめ)」にアイデアがまとまっているが、リンク先のGoogle Waveのものも含めるとその数は膨大だ。

 「すでにアイデアを固めている人が多く、それを形にするという活動が主。開発者から出てきたアイデアがあり、それを素早く実現できるように参加者同士が互いにアドバイスし合った。ストレージが必要だ!とか、地図データがほしい!などの要望に対応が交わされていた」(西脇氏)

 「こういった事態でのスピード感と情熱はベンダー主導ではなく、開発者主導であり、オンラインで様子を見守っていた我々ベンダーももっと頑張らなくてはと思った」(西脇氏)

 Hack For Japanの意義は、Hack For Japan以後を意識させる点にもあるかもしれない。つまり、開発者が手がけた成果物をどう被災者に届け、どう継続させるかという観点だ。

 「この3日間でできたものは技術的には面白いかもしれないが、まだ粗削りな面もある。(被災地の)SIerやベンダー、自治体が引き取って、サービスを常に提供できるような形で残しておくべきではないかと思う」(西脇氏)

 日本マイクロソフトでエバンジェリストを務める砂金信一郎氏も、継続のためには企業の支援が欠かせないと訴える。

 「最初は有志で集まって面白いものを作ろうとして盛り上がるが、継続できないことも多く、また改善を続けなければ良いサービスにならない。それには善意では限界がある。そこをマイクロソフトとしてきちんと支援したいし、パートナーがやるのならば仕事としても支援していきたい」(砂金氏)

Hack For Japanをスタートにして

 Hack For Japanは3月21日で終了したが、その主旨の終わりの日ではない。そのことは今回のイベントの旗振り役となったグーグルのTweet「このイベントは一過性の物ではありません。これからも継続的に活動を続けていければと思います」や、はてなエンジニアのブログ「Hatena::Engineering」の「この3日間のイベントをスターティングポイントとして、継続的に被災者支援となるサービスを作り上げていきたい」というメッセージからも読み取れよう。

 以下に賛同企業が提供したサービスとテクノロジを列挙する。震災直後から無料で提供されているサービスも多いため、今後の開発に役立ててほしい。

グーグル

Amazon Web Services

 AWSは1年間の無料利用枠を発行しているが、Hack For Japanでの開発を目的とする場合、同社エバンジェリストの玉川憲氏のTwitterアカウント「@KenTamagawa」に連絡すれば無料枠を超えて利用できる可能性がある。

 また、国内ユーザーグループのJAWS-UGが利用しているハッシュタグ「#jawsug」宛につぶやけば、玉川氏やユーザーによる技術サポートを得られるだろう。

ヤフー

セールスフォース・ドットコム

sinsai.info

OpenStreetMap

ライブドア

楽天

リクルート

日本気象協会アップフロンティア

カカクコム

ファーストサーバ

日本マイクロソフト

Japan Windows Azure User Group

はてな

ミクシィ

Evernote

Cloudant

さくらインターネット

頓智ドット

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