「たとえば容量10Gバイトのストレージに9Gバイトのデータが格納されていたとする。この9Gバイトのデータを消したとしても、シンプロビジョニングは、残りの1Gバイトにデータを書き込もうとする。結果として、ストレージからは“容量がいっぱいです”という赤ランプが光ることになる」(星野氏)
シマンテックのLinux/UNIXストレージ管理ソフト「Veritas Storage Foundation」には「Thin Reclamation」と呼ばれる機能が搭載されている。この機能は、いったん割り当てられた物理領域を解放して、実際に使われているサイズだけを認識するというものだ。つまり、ストレージハードウェアのシンプロビジョニングよりも、利用率を向上させることができるとしている。「Thin Reclamationは、ファイルシステムを持っているシマンテックだからこそ使える技術」(星野氏)という。
ユーザー企業が現在求めるデータの最適配置については、ストレージの階層化が進みつつある。現在のストレージは、ハードディスク(HDD)と半導体ディスク(SSD)があり、HDDでは接続形態としてFCとSATAがある。アクセスする件数が最も多いデータをSSDに置いて、その次にアクセスされるデータはHDD-FCに、あまり頻繁にされないデータはHDD-SATAに置かれることになる。これがストレージの階層化だ。
Storage Foundationには、階層型ストレージを展開するために「Dynamic Storage Tiering」機能が搭載されている。これはポリシーベースで最適なドライブにデータを自動的に配置するというものだが、アプリケーションに対して透過的になっている。ストレージハードウェアやOSに依存していないのが特長としている。
ハードウェアロックインの回避策としてはStorage Foundationというソフトウェアの選択そのものが、ストレージハードウェア選択の自由度を高められるとしている。選択肢が自由になることで、ストレージハードウェア購入のコストも抑制できることになる。加えて「たとえばEMCからHPというストレージの移行でも無停止でデータを移行できる」(星野氏)というメリットも強調している。
管理の標準化という点では、Storage Foundationでインフラ機能が標準化されるとともに、Storage Foundationに付属する運用管理ツール「Veritas Operation Manager」でインフラ管理も標準化できるという点を強調する。星野氏は「どのOSでも、どのストレージでも、必要な機能を共通のコマンドで提供できる」と、Storage Foundationの特長を説明する。
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