CRM市場、2ケタ成長続く--SaaS型SFAは2年連続で20%近い成長

田中好伸 (編集部)

2012-02-09 12:52

 アイ・ティ・アール(ITR)の2月9日の発表によると、国内の顧客情報管理システム(CRM)市場は2011年度(2011年4月~2012年3月)は前年度比14.4%増が見込まれるという。2010年度は前年度比11.2%増であり、2ケタ成長が続くことになる。

 営業活動を支援する製品で、顧客情報管理や案件管理、コンタクト履歴管理、営業活動管理、業績管理、販売チャネル管理などの機能を持つSFA(Sales Force Automation)/SFE(Sales Force Effectiveness)分野はパッケージ製品が低調だが、SaaS型が2010年度、2011年度ともに前年度比20%近い成長を見せており、2011年度は23億8000万円に達するとみている。

 SaaS型SFA/SFEの市場は、依然としてセールスフォース・ドットコムが4割以上のシェアを維持しており、2010年度も2011年度も売上増大が市場の伸びに大きく貢献しているという。2011年度(予測値)は各ベンダーとも前年度より売り上げを伸ばす見込み。ベンダーシェアをみると、2位にNIコンサルティング、3位にソフトブレーンがつくとしている。

図 SaaS型CRM市場SFA/SFE分野のベンダーシェア
(2011年度予測、出荷金額ベース、出典:ITR)

 ITRのシニア・アナリストである甲元宏明氏は「適用分野別に見ると、これまでコストパフォーマンスで注目度が高い、メールを中心としたマーケティングシステムが順調に市場を拡大してきたが、近年はそれらの活動のPDCAを管理する機運が高まっている」と説明する。

 その上で「今後はSFA/SFE、コンタクトセンター、マーケティング、フィールドサービスといった顧客に関係するシステムを連携させ、より効率的な営業活動支援を推進する企業が増えると予想され、統合的なソリューションをパブリッククラウドで実現するベンダーが同市場を勝ち抜く可能性が高い」ともコメントしている。

 同社はCRMのほかECサイト構築管理、FAQ作成管理を対象に国内50ベンダーの製品を調査し、市場規模や動向を分析した「ITR Market View:CRM市場2012」を発行している。

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