「Ubuntu」は「Debian」ベースのデスクトップ向けLinuxディストリビューションとして名を馳せた後、長い道のりを歩いてきた。では現在、Ubuntuはどういった人たちに利用されているのだろうか、またユーザーはUbuntuの今後の製品についてどのように考えているのだろうか?
Ubuntuの今後の製品についてUbuntuユーザーはどのように考えているのだろうか。
その昔、UbuntuはDebianをベースにしたデスクトップ向けLinuxディストリビューションとして、(Debianのコアなファンは別にして)多くの人々から愛されていた。それが当時のUbuntuであった。そして時が流れ、今日ではUbuntuはサーバやクラウドといった分野への参入も果たしており、その開発を行っているCanonicalはテレビやタブレット、スマートフォンといった分野にも製品を投入しようとしている(「Ubuntu Linuxはスマートフォンやタブレット向けのOSとして成功するのか?」を参照)。こういったことは文句なしに素晴らしいのだが、Ubuntu愛好家たちはどう考えているのだろうか?以下はCanonicalによるユーザーサーベイの結果である。
Canonicalのサーベイには1万7000人を超えるUbuntuユーザーが回答を寄せている(このサーベイは英語圏とスペイン語圏、ポルトガル語圏のユーザー毎に分けて行われたものである)。Canonicalのコミュニケーション担当ディレクターであるGerry Carr氏によると、平均的なUbuntuユーザーの年齢は25〜35歳であるという。Carr氏はまた、Ubuntuのユーザーは「圧倒的に」男性が多いとも述べている。回答者に占める女性の割合は平均すると4%に満たないのだ。もっとも標本選択時のバイアスが回答者の男女比に与えた影響を考えると、この数値は鵜呑みにできない可能性がある--つまり何らかの理由で女性からの回答が少なかったため、実際の男女比が得られていない可能性もあるということだ。ただ、上記のデータから正しい値を推定することはできないものの、これほどの差があるということは、何らかのかたちで製品の開発方法やコミュニティーの運営方法(おそらくは双方)に見直しを加え、男女双方にアピールしていく必要があるということは言えるだろう。
Ubuntuユーザーの大半(80%以上)は、少なくとも2年以上Ubuntuを使い続けている。また、ユーザーの1/3は5年以上にわたってLinuxディストリビューションを使い続けている。
こういったユーザーの過半数(67.2%)は新規インストールしたUbuntuを使い続けており、旧バージョンからアップデートしているユーザーはたったの26.3%である。そして、大半のユーザー(87%)は、Ubuntuのインストール作業やアップデート作業が容易、あるいは非常に容易であったと答えている。また、Ubuntuシステムがプレインストールされた製品をDellやSystem76、ZaReasonなどのベンダーから購入したユーザーは、ほんの少数(0.1%)に留まっている。