キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)とキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は新しいデータセンターを建設して、10月からサービスを提供する。両社が4月19日に発表した。
新データセンターは西東京市に建設中。武蔵野台地のほぼ中央に位置して、強固な地盤の上にあるという。東京都の地震に関する調査によれば、同地は建物の倒壊や火災などのリスクが少なく、津波や液状化のリスクもほとんどない地盤だとしている。免震策として、免震装置とオイルダンパーを組み合わせて地震の影響を軽減、制震ダンパーで縦揺れも低減できるとしている。
敷地面積は1万6532平方メートル、2300のラックを設置できるという。地下1階から地上4階の構造であり、1階に700ラック、2階に800ラック、3階に800ラックとなっている。
CPU室の床耐荷重は1平方メートルあたり1.5トンとなっており、高集積サーバや大型のストレージを設置できる。二重床の高さは1000mmで、床下ケーブルの配管に邪魔されずに冷気を送れることから、空調の効率化を図れるとしている。
電源の供給は、1ラックあたり平均6kVA、最大20kVA。電力と通信の引き込みは2系統にするとともに、冷凍機や冷水配管は2N構成、空調機はN+2の冗長構成という障害対策を取っている。
非常用の自家発電設備はN+1構成。負荷が最も高い状態でも72時間稼働が可能な燃料を確保すると同時に、最優先燃料供給契約を複数確保している。日本データセンター協会が定める評価基準で最も高い「ティア4」となっている。
空調では、高効率熱源空調機器を導入、免震ビットの冷気を活用したクールビットなどの仕組みを取っている。電力使用効率(Power Usage Effectiveness:PUE)は1.4の設備設計となっているという。
ITILをベースにした運用サービスを提供する。新データセンターでは、業務システム運用サービスや運用監視サービスを提供していく。キヤノンMJとキヤノンITSは、新データセンターを中核にして、グループのクラウドサービス基盤「SOLTAGE」やビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)を強化して、アウトソーシング事業を拡大していく。
これまで大企業を中心に提供してきたSIサービスに加えて、システム運用サービスを提案していく。データセンターやシステム運用、クラウド、BPO、保守などのストック型ITサービス事業全体で2015年に約500億円の売り上げを目指す。