シトリックス・システムズ・ジャパン(シトリックス)は4月25日、パートナー企業や開発コミュニティと連携することで、仮想化されたWindowsアプリケーションのモバイル対応を加速することを目的とした日本独自の取り組みである「Windowsアプリケーション簡単モバイル化プログラム」を展開することを発表した。
シトリックスでは、2012年3月15日にリリースした「Citrix XenDesktop 5.6」に含まれる「Citrix XenApp 6.5」および「Citrix XenApp 6.5 Mobility Pack」により、Windowsサーバ上で稼働する仮想デスクトップをタブレットやスマートフォンに最適化し、“タッチフレンドリー”なユーザーインターフェースに変換する機能を提供している。
また、シトリックスのウェブサイトから無償でダウンロードできる開発キット「Citrix Mobile Application SDK for Windows」を利用することで、大手企業やシステムインテグレーター、ISVなどは、GPSやカメラ、通信機能など、50種類以上のAPIを使用して、モバイル対応のWindowsアプリケーションを開発することが可能になる。
※クリックで拡大画像を表示
シトリックス マーケティング本部 本部長の伊藤利昭氏
シトリックスのマーケティング本部 本部長、伊藤利昭氏は「写真や動画を駆使した情報系アプリケーションのモバイル対応は用途が限定される。日常もっとも利用する業務系アプリケーションは、モバイル対応が困難だが実用性は高い。我々が目指すのは、後者のエンタープライズアプリケーションのモバイル対応だ」と話す。
「企業システムには、数百、数千と既存のWindowsアプリケーションが存在しているが、マウスとキーボードによる操作が前提となる。またエンタープライズアプリケーションに対応したモバイルデバイスもごくわずかだ」と伊藤氏。Windowsアプリケーション簡単モバイル化プログラムでは、こうした状況の容易な改善を目指している。
今回、発表されたWindowsアプリケーション簡単モバイル化プログラムでは、XenApp 6.5 Mobility PackやMobile Application SDKによるWindowsアプリケーションのモバイル対応をパートナー企業や開発コミュニティと連携することで推進。さらに「モバイルアプリケーション開発コンテスト」の開催により、革新的なモバイルアプリケーションの登場を期待している。
パートナー企業の連携では、アイネットがモバイルデバイスのGPS機能を利用したアパレル向けアプリケーションを、またシー・エス・イーが会計パッケージをモバイルから活用するアプリケーションをデモで紹介。開発コミュニティサイトでは、解説ビデオや各種ドキュメント、フォーラム、サンプルコードなどの開発支援サービスが提供される。