松岡功の「今週の明言」

今週の明言--マカフィー社長が記者会見に初登場

松岡功

2012-07-27 11:32

本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

今週は、マカフィーのジャン・クロード・ブロイド 代表取締役社長と、日本マイクロソフト ロアン・カン 業務執行役員の、いずれも記者会見での発言を紹介する。(ZDNet Japan編集部)


「日本の情報セキュリティへの投資は、欧米に比べて遅れている。だからこそ逆にポテンシャルが高いと見ている」
(マカフィーのジャン・クロード・ブロイド 社長)

 マカフィーが7月25日、インテルと共同開発したハードウェア支援型セキュリティ製品「McAfee Deep Defender」および「McAfee ePO Deep Command」を8月1日に発売すると発表した。ブロイド氏の発言は、その発表会見で、日本法人のトップとして日本市場でのビジネス展開に注力する姿勢を表したものである。

マカフィー ジャン・クロード・ブロイド 代表取締役社長
マカフィー ジャン・クロード・ブロイド 代表取締役社長

 発表の詳しい内容については、既に報道されているので関連記事などをご覧いただくとして、ここではブロイド氏が会見の冒頭で語った情報セキュリティ市場の見方について紹介しておこう。

 まず、情報セキュリティにとって影響の大きいトレンドとして、ブロイド氏は「モバイル端末の増加とBYODの動向」「クラウド、仮想化の採用」「製品や業界の統合」「新興市場の成長」「従来とは違う手法による高度な攻撃」「より厳しい方針と規則」「ビッグデータ分析によるSIEM(セキュリティ情報とイベント管理)の促進」といった7つを挙げ、これらそれぞれにしっかりとした情報セキュリティ対策が求められていると強調した。

 そして、日本の情報セキュリティに関する動きに話が及び、冒頭の発言となった。ブロイド氏によると、日本は世界第3位の経済大国であり、IT分野においても先進国で、データセキュリティに関するモラルも高いものの、GDPと情報セキュリティ市場の規模を比較すると、冒頭の発言になるという。

 例えば、米国と比較した場合。GDPの規模では米国が日本の2.7倍に相当するが、情報セキュリティ市場の規模は米国が日本の5.4倍に及ぶ。これをしてブロイド氏は、日本の情報セキュリティ市場のポテンシャルは、現在の2倍はあると見ている。なるほど、これは興味深い視点である。

 ちなみに、ブロイド氏は2011年10月1日付けで日本法人の社長に就任し、記者会見に臨むのは今回が初めてという。質疑応答では、2年前に親会社となったインテルとの事業連携の拡大方針についても質問が飛んだが、そつなく答えていた姿が印象に残った。

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