NECは8月31日、ビッグデータのリアルタイム分析処理を高速化するハードウェアを専門知識がなくても簡単、高速に設計できる技術を開発したと発表した。2014年度までに製品化して提供することを目指す。
今回開発した技術は、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)で標準的に使われるデータアクセス言語「SQL」で設計したソフトウェアを、同社が保有する書き換え可能なLSI(Field Programmable Gate Array:FPGA)の回路合成技術「CyberWorkBench」を利用して、専用ハードウェアに自動変換するというもの。データ分析担当者は、使い慣れたSQLでFPGAを直接設計できるといい、技術者による回路設計作業が不要となることから、開発期間を数カ月から数時間に短縮できるとメリットを強調している。
今回は、データの処理内容を切り替える際に、旧処理と新処理の回路を並列で動作しながら、瞬時に切り替えるハードウェア処理機構も開発している。従来は、旧処理の回路を新処理の回路に再構成してから切り替えていたため発生していた処理の停止時間を数ミリ秒から数ナノ秒に短縮。運用中のシステムを停止することなく、処理を動的に修正したり変更したりできるようになると利点を説明している。
ビッグデータの処理は、専用のハードウェアを活用することで、ソフトウェア処理と比較して10~50倍程度の高速化が見込まれているとNECは説明する。だが、ハードウェアの開発や実装に数カ月程度かかると指摘されている。運用中に処理内容を変更できないとも言われ、柔軟性に課題があると同社は指摘している。今回開発した技術は、そうした課題に対応するものという。