「Windows 8はタブレット端末市場に対して大きなインパクトをもたらすのではないかと注目している」
(米Syclo ジェフ・クレバン エグゼクティブバイスプレジデント)
SAPジャパンが9月11日、モバイルソリューション事業に関する記者説明会を開き、独SAPが今年6月に買収したエンタープライズモバイルアプリケーションベンダーである米Syclo(サイクロ)のエグゼクティブバイスプレジデントを務めるクレバン氏が、SAPのモバイルソリューション事業戦略における日本国内を含めたSycloの事業展開について説明した。
冒頭のクレバン氏の発言は、その記者会見の質疑応答で、まもなく登場する「Windows 8」がエンタープライズモバイルアプリケーション分野にどのようなインパクトをもたらすか、と問われて答えたものである。
Sycloは、施設や設備などの保守管理、資産管理、在庫管理といった現場業務向けに、マルチプラットフォーム対応のモバイルアプリケーションやその開発環境を提供している。1995年創業以来、39カ国約600社への導入実績があり、6月にSAPの傘下へ入った。
クレバン氏によると、Sycloのソリューションは顧客企業に10〜20%の生産性向上や業務効率化、コスト削減などの高い投資対効果をもたらすという。さらにSAPによる買収を契機に、ERPやCRMなどの業務アプリケーションとモバイル環境を一体化したソリューションを提供できるようになるとしている。
マルチプラットフォーム対応ということで、デバイスやOSを気にせずに利用できるのが特徴の1つだが、会見の質疑応答でWindows 8のインパクトを聞かれた同氏は、タブレット端末との組み合わせに注目すべきだと語った。
筆者がこの発言を取り上げたのは、クレバン氏がSycloの共同創業者で、17年にわたってエンタープライズモバイルアプリケーション分野に関わってきたエキスパートだからだ。エキスパートの目から見たWindows 8のインパクトは、1つの見識である。
「タブレット端末は着実に普及しているが、Windows 8との組み合わせで、ビジネス向けにもコンシューマー向けにも一気に弾みがつく可能性がある」とクレバン氏。頭に入れておきたい予見である。
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