PCは仕事のためのもの、タブレットは楽しみのためのもの。
2012年第4四半期に、PCの売り上げが不調だった理由を理解するのに必要な経済学的分析は、これだけだ。
新しいノートPCをサンタにお願いした人はいなかったのだ。クリスマスに人気があったのは、「Kindle」や「iPad」、あるいは安い「Android」タブレットで、どれもPCより安く、ラッピングもしやすい。
PCメーカーでもある富士通から、PC販売台数に関するデータが発表されている。同社の社長は2012年12月、東京で報道陣に対し、同社がPC販売の年間目標を達成できない見込みだと話した。Bloomberg BusinessWeekはこの発言を報じ、主にWindows 8に対する「需要の遅れ」が原因だと強調した。
富士通の山本正已社長(58)は12月29日、10月に発売されたWindows 8の初動は「軟調だ」と述べた。同氏は、政府債務危機のさなかにある欧州での需要の落ち込みもまた、売り上げ鈍化の原因となっているとした。3月末締めの会計年度におけるPC出荷台数は、10月時点の予想である700万台に対し、600万台強にとどまる可能性があるという。
同じニュースを報じたReutersの記事では、導入部は大きく異なっている。
12月27日(Reuters)-- 富士通株式会社は、経済危機に見舞われている欧州での需要の落ち込みと、中国との緊張による日本製品に対する逆風の影響で、今年度のPC販売目標を達成できない可能性が強い。
富士通の山本正已社長は報道陣に対し、マイクロチップ、スマートフォン、コンピュータなどを製造している同社は、3月までの会計年度中のPC販売目標である700万台を達成できない可能性が高く、販売台数は600万台から700万台の間になる見込みだと語った。
富士通は、必ずしもPC市場全体を代表する会社とは言えない。同社のPC製造事業は年々縮小しており、同社が欧州市場に力を入れてきたことが特に影響を大きくした。欧州はギリシャ、スペイン、イタリアの経済危機への対応と、他の諸国での全般的な景気低迷によって、経済的に厳しい状況にある。