「Android」アプリができるまで - (page 2)

Scott Matteson (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章

2013-03-08 07:30

プラットフォームの決定

 Shah氏は、このアプリを「iOS」向けに開発するか、Android向けに開発するか(あるいは双方?)を検討する必要があった。これらはモバイル機器の2大プラットフォームであるが、同氏はまずどちらか一方に注力した方がよいと考えた。調査によると、「App Store」にアプリを登録するまでには、Androidの場合と比べるとずっと多くの作業が必要となる。また同氏は、Appleがアプリの登録依頼を受け付けた後、承認するまでに数週間、場合によっては数カ月も待ち続ける必要があり、その間は何の音沙汰もないということを聞き及んだのである。

 Shah氏は「支援者から資金を集めている場合、こういったことは大きな問題を引き起こす可能性がある。支援者は返金を迫り始めるかもしれない」と述べている。つまり、GoogleのAndroidを選ぶ方がずっと早くアプリを世に出せるということが分かったわけである。また、同氏は「顧客として学生層も重視しており、あらゆる学生がApple製品を購入できるわけではないということも分かっていた。Androidアプリであれば、より安価なスマートフォン上で利用できるため、多くの若者にアピールできる」と述べている。同氏は、Valuation Appの開発が完了した段階で「Google Play」からアプリをリリースできるよう、25ドルを支払ってAndroid開発者としての登録を行った。

価格の決定

 Shah氏は、アプリの基本機能を無料で提供する「フリーミアム」版をリリースする一方、より高度な機能を備えたバージョンの価格については、Google Playの最低価格である99セントに設定した。この戦略は、見込み客にアプリを試用してもらい、ニーズに見合っていた場合には容易に購入してもらえるという点で理にかなっている。

資金集めと製品のプロモーション

 appbackrは「アプリ開発者が、アプリケーションの資金面や、販売促進の面で協力してくれる支援者を見つける場」を提供するウェブサイトである。Shah氏は他の人々のアプリを支援した経験があるため、このサイトとそれがもたらすメリットについては熟知していた。2012年の夏にShah氏はValuation Appの開発資金を得るために、同アプリをappbackr上に「コンセプトアプリ」(現在では「プレリリースアプリ」と呼ばれている)として掲載した。これが「ゼロから作り上げていく」うえでの本当のイニシアティブとなった。またこの試みには、Shah氏の活動におけるあらゆる側面でユーザーとの対話が促されるという素晴らしいメリットもあった。

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