松岡功の「今週の明言」

トレンドマイクロCEOが語る創業25年目の決意

松岡功

2013-04-12 10:26

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、トレンドマイクロのEva Chen代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)と、日本マイクロソフトの樋口泰行 代表執行役社長の発言を紹介する。


「2013年は、サイバー攻撃、クラウドと仮想化、コンシューマライゼーションの3分野に注力したい」
(トレンドマイクロ Eva Chen 代表取締役社長兼CEO)

 トレンドマイクロが3月27日、2013年の企業向けビジネスにおける戦略を発表した。 Eva Chen(エバ・チェン)氏の冒頭の発言は、その発表会見で注力分野について語ったものである。


トレンドマイクロのEva Chen代表取締役社長兼CEO

 昨今の企業におけるITセキュリティ環境の変化についてChen氏は、「かつてはオンプレミス向けに防御線を引いた形の対策で事足りていたが、クラウドやモバイルが普及してきた今では、よりスマートな防御戦略が求められる」とし、2013年はとくに3つの注力分野に対して、次のようなソリューションコンセプトをもとに事業展開を図っていく構えだ。

 まず、サイバー攻撃に対するソリューションコンセプトは「カスタムディフェンス」。攻撃を検知、分析するだけでなく、製品間の連携や同社のセキュリティ専門家のインテリジェンスを活用したサービスを包括的に提供するものだ。同社が持つセキュリティの知見を、個々の攻撃特性に対応した最適な防御にカスタマイズすることで、標的型サイバー攻撃から情報資産を守るとしている。

 次に、クラウドと仮想化に対するソリューションコンセプトは「クラウド&データセンターセキュリティ」。物理環境、仮想環境、およびクラウド環境を守るセキュリティソリューションを1つのプラットフォーム・管理コンソールで提供することで、ビジネスの柔軟性やコスト効率性を損なわないセキュリティ対策を実現するとしている。

 そして、コンシューマライゼーションに対するソリューションコンセプトは「エンドユーザー保護の徹底」。企業内に多様なデバイスが持ち込まれてIT環境が複雑化する中、場所を問わずさまざまなデバイスやアプリケーションを通じてデータにアクセスする場合でも、情報資産を安全に扱えるよう、情報資産そのものに着目したセキュリティソリューションを提供するとしている。

 会見で説明があった同社の2013年の戦略についてのさらに詳しい内容は、すでに報道されているので関連記事をご覧いただくとして、ここでは会見に臨んだChen氏の意気込みの一端を紹介しておきたい。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI を活用した革新的な事例 56 選 課題と解決方法を一挙紹介

  2. OS

    Windows 11移行の不安を“マンガ”でわかりやすく解消!情シスと現場の疑問に応える実践ガイド

  3. ビジネスアプリケーション

    調査結果が示す「生成 AI 」活用によるソフトウェア開発の現状、ツール選定のポイントも解説

  4. ビジネスアプリケーション

    生成AI活用で変わるシステム開発の現場、生成AIでローコード開発を強化する4つの方法

  5. ビジネスアプリケーション

    RAG やベクトル埋め込みは可能か、生成 AI 活用で求められるデータベースの要件を探る

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]