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アップルのCEOにイーロン・マスクを--新進気鋭のVCが真のリーダー待望 - (page 2)

三国大洋

2013-05-13 18:09

Elon Musk、究極の「Moon Shooter」

 「ムーンシュート」("Moon Shoot")については、昨年暮れあたりからGoogleの幹部などもしきりと口にしている(註8)が、特に「空飛ぶ自動車が欲しいと思っていたのに、実際に手にしたのは140文字(のコミュニケーションツール)」("We wanted flying cars, instead we got 140 characters.")というFacebook株の社外投資家として知られたPeter Thielの言葉(註9)が表すような風潮--世界の優秀な人材(人的リソース)が、TwitterやFacebookのようなものの開発に使われていることを嘆く人々の目には、Muskが希有な規範のひとりと映っていても不思議はない。

 さて、そのMuskを「AppleのCEOに据えるべきだ」という考えを、元Facebookの幹部で現在はSocial+Capitalというベンチャーキャピタルを経営するChamath Palihapitiya(チャマス・パィリアピティヤ:註10)が先頃Bloomberg TVで述べていた。

[Apple Should Make Elon Musk CEO: Palihapitiya - Bloomberg TV>]

 また、同時に公開された寄稿記事には、Appleにとって「(すでに噂が流れている)テレビや腕時計端末もいいが、それよりもクルマの市場を狙った方が事業としても面白い」「AppleはTeslaを買収すべき」「Teslaを買って、Elon MuskをCEOに据え、Tim CookはまたCOOに戻ればいい」などといったことが書かれている(註11)。

 なお、Appleの170億ドルの社債発行や約1450億ドルの手元流動性(余剰利益)を踏まえて書かれたこの記事の見出しは「Steve Jobsが生きていたら、いまごろTeslaを買っていただろう」("Apple Bond Issue? Steve Jobs Would’ve Bought Tesla")となっている。

 もっともこの寄稿記事の主眼は、Appleへの「真のリーダー待望論」とでもいうべきもので、実際に同社が自動車市場に参入すべきかどうかという点にはない。そのことはChamath自身が「AppleがTeslaを買うようなことは起こりえない」と書いていることからもはっきりと伝わってくる。そして、「もしiCarが出たら私なら買う。けれど、Appleは私に腕時計、もしくを社債を売り付けたいようだ。それがとても残念」("I for one would buy an iCar. Too bad Apple would rather sell me a watch. Or a bond.")という締めの一行からは、ChamathがこのところのAppleの不甲斐なさにしびれを切らしているのではといった様子も感じ取れる。

 Appleというある意味特別な会社が抱える厄介な点は、数字に表れる結果(決算)以外に、それを含むもっと大きなものを求められていることだろう。それを仮に(広義の)「モメンタム」と呼ぶとして、このモメンタムがなければ、例えどんなに投資家に大盤振る舞いしたとしても、単なる株価の下支えにしかならない。

 Jobsの時代には「デジタルハブ」というビジョンがあり、Appleは10年くらいかけて曲がりなりにもこのビジョンを形にしてきたが、いまでは(細かい差異を別にすれば)競合他社でも軒並み同じようなことができるようになってきてしまった。

 最近では新製品をめぐる話題もちらほら--例えば「Jony Iveの指導のもと、iOSの大規模な手直しが進められているらしい」といった話も出るようになってはいるが、ユーザーやサードパーティに影響する(製品側の)めぼしい話、具体的な話といえばそれくらいで、以前のように年がら年中いろんな噂が飛び交い、ニュースになっていたというような状況はすっかり陰を潜めてしまった感もある。

[Apple’s Ive Seen Risking iOS 7 Delay on Software Overhaul - Bloomberg TV]

 いずれにせよ、そんな具体的な製品やその先にある新しいビジョンといったものが示され、さらにAppleがそれを実際に形にできるということがきちんと伝わらないと、市場やウェブ上でのモメンタムが再び勢いを増すことも、ひいては株価が大きく回復することもない……。この指摘はそういう諸々の事柄をうまく示していると思える。

 同時に「部外者」のMuskをいきなり連れてくるのはほぼ不可能としても、このところ興味深い動きをみせているNest(AIを利用した自動学習機能付きサーモスタットのメーカー)をそっくり買って「OB」のTony Fadell(註12)を呼び戻すことなどあってもいいのではないか……。このChamathの寄稿記事を読んで、そんな考えも浮かんでいる。

 なおGigaOMでは、TeslaがMuskに対する株式オプション付与などに関して、現在のAppleに匹敵する時価総額を持つところまで想定した計画をすでに用意していると報じていた(註13)。あくまでも計画にすぎない(実現の可能性は未知数)としても、スケールの大きな話であることには間違いない。

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