アマゾン データ サービス ジャパン主催のカンファレンス「AWS Summit Tokyo 2013」が6月5日に開幕した。オープニングキーノートとして、米Amazon.comの最高技術責任者(CTO)であるWerner Vogels氏が講演し、「クラウドコンピューティングが起こしたイノベーションはテクノロジだけでなく、ビジネスモデルを大きく変革させた」と強調。日本でIaaS/PaaS「Amazon Web Services(AWS)」を利用するパートナー企業の事例を交え、AWSが実現したイノベーションをアピールした。
同日からAWSは、東京リージョンでデータウェアハウス(DWH)サービス「Amazon Redshift」とRedshift向けの仮想マシン「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」のインスタンスタイプのHigh Storage Instance、Amazon EC2の高性能コンピューティング(HPC)向けインスタンスとして「Cluster Compute Eight Extra Large(CC2)」と「High Memory Cluster Instance(CR1)」の提供を開始した。
Amazon.comのCTOを務めるWerner Vogels氏
クラウドのメリットは何か
Amazonは、2006年に3月にストレージサービス「Amazon Simple Storage Service(S3)」の提供を開始。それ以来、コンピューティング、ストレージ、データベース、アプリケーション管理など33種類の提供を開始している。
「特定の技術、特定のベンダーにロックインされない、顧客第一主義のサービスを提供していることが大きな特長」(Vogels氏)で、主要ITベンダーと協業関係を築いているほか、日本にも野村総合研究所など100社を超えるパートナー企業を持つ。
新しいサービスの提供を取り組むことにも前向きで「AWSではイノベーションを積極的に推進してきたが、そのスピードはさらに加速。2013年に入って5カ月間で提供した新サービスとアップデートだけで92におよぶ」という。
その源泉となっているのが「顧客第一主義を貫く」というその姿勢。クラウドサービスを提供することも「競争が激化し、資本は限られている状況で、不確実な先行投資、不要なリソースから解放する」という姿勢がベースとなっているとVogels氏は説明した。
クラウドの特長として(1)先行投資が不要、(2)低い運用コスト、(3)容量を柔軟に変更できる、(4)アジリティ、(5)コアコンピタンスへの集中、(6)数分で世界に展開――という6点を挙げる。