IBMもSDNを活用--ネットワーク制御ソフトやストレージの機能拡張を発表

田中好伸 (編集部)

2013-06-11 16:30

 日本IBMは6月11日、ネットワークを制御するソフトウェア「IBM Software Defined Network for Virtual Environments VMware Edition(SDN VE)」の販売を開始した。最小構成の税別価格は1ソケットあたり2万2100円。6月21日から出荷する。

 SDN VEは、ソフトウェアでネットワークを定義するという「Software-Defined Networking(SDN)」のコンセプトを活用したソフトウェア。同ソフトウェアは、ネットワークをソフトウェアで制御するフレームワークで、既存の物理スイッチ網上に集中管理型の仮想ネットワークを構成し、ビジネスの要求に応じて、ネットワークの構成や設定を柔軟かつ動的に変更できるという。

 数百台以上の物理スイッチがある既設のIP網環境でも、拠点をまたがるデータセンター間でも統合して管理でき、サーバやストレージに比べて仮想化が遅れていたネットワークの分野でも運用負荷を低減しながら、ネットワーク全体を自動的に管理できるようになるという。

 これまでは、通信状況に応じた構成や経路変更には、機器の追加や個々のネットワーク機器に対する手動の設定変更が必要であり、その都度人的作業がかかっていた。SDN VEはあらかじめ定義した優先度にしたがって、これらの作業を自動化できる。管理の負荷やコストを抑えながら、業務要件にあった処理性能を発揮できるとメリットを説明している。

 IBMは、SDNをシステム全体に応用する構想「Software Defined Environment(SDE)」を発表した。SDN VEもこのSDEを構成する。既存の製品も、このSDEに対応して機能を拡張している。

 ストレージのアクセス頻度に応じてデータを自動的に階層化にする機能「IBM System Storage Easy Tier(Easy Tier)」をSDEにあわせて強化して、ストレージ資源を有効に活用できるよう最適化し、アプリケーションの処理性能の向上を図った。

 アプリケーションの優先度に応じて適切なストレージ階層に自動配置する機能「IBM System Storage Easy Tier Application(Easy Tier Application)」をハイエンドストレージの「IBM System Storage DS8700」に適用できるようになった。ユーザーは業務の優先度といった非機能要件を事前に定義すれば、ビジネスの要求に応じて最適なストレージ環境を自律的に構成できるようになるという。

 Easy Tierとアクティブなデータをリアルタイムに圧縮する機能「IBM Real-time Compression」は、ミッドレンジストレージ「IBM Storwize V7000(V7000)」とストレージ仮想化アプライアンス「IBM SAN Volume Controller(SVC)」で同時に利用できるようになった。データを最大80%圧縮しながらストレージの自動階層化を実現できると説明している。

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