日本市場に絞ったコンテナ型データセンター
毛色の変わった展示としては、もう一つ、日本フルハーフのコンテナ型データセンターも目を惹いた。コンテナ型データセンターは他にもあるが、このシステムは日本独自の31フィートコンテナをベースとしているのがポイントだ。
外国ベンダーのコンテナ型データセンターはコンテナ船の世界標準となっている40フィートを使ったものが一般的だが、40フィートでは日本国内の輸送事情、特に道路の制約により移動が難しいとされ、せっかくの機動力を上手に生かせない。31フィートはJR貨物が規定した日本ローカルの規格ではあるが、10トントラックと同程度の容積で、国内の道路でも取り回しやすいのが特徴だ。
写真は、コンテナ型データセンター外観。専用トレーラも振動を抑えるエアサス車となっている。同社が培ってきた冷凍・冷蔵コンテナのノウハウを生かした温度管理機能も大きな特徴だ。
コンテナに気密性を持たせて冷気が逃げないようにしているのはもちろん、冷媒が自重で内部に降りてくるよう熱交換機をコンテナ上部に設けて効率的な冷却を実現した。コンテナ前方の空調機器は常に内部の空気を循環させると同時に、熱交換機だけでは温度上昇を抑えられない場合に限って強制的に冷やすようになっている。
この空調システムにより、PUE(Power Usage Effectiveness)1.1~1.4という高い電力使用効率を達成できるという。
Interop Tokyo 2013