果たしてEMCがどのような水平協業を推し進めるか、大いに注目しておきたい。
「ダッソーは3Dエクスペリエンスを提供することで社会に貢献していきたい」 (仏Dassault Systemes Bernard Charles 社長兼CEO)
仏Dassault Systemes Bernard Charles 社長兼CEO
Dassault Systemesが6月4日、仏本社のCharles社長兼CEOの来日に伴い、同社の最新状況や事業戦略について記者会見を開いた。同氏の冒頭の発言は、その会見において、事業戦略の核心について語ったものである。
仏Dassault Systemesは1981年の創業以来、CADソフトウェア「CATIA」を中心に世界140カ国以上で事業を展開し、15万社を超える顧客を保持している。Charles氏によると、特に2012年は1年間だけでおよそ2万社の新規顧客を獲得し、売上高も為替を換算した前年比で12%増の20億ユーロ(約26億ドル)強を記録。そのうち日本の占める割合が2割に達したという。
顧客の業種も、航空宇宙・防衛、自動車・輸送機械、天然資源、船舶・海洋、医療機器・医薬品、産業機械、ハイテク、金融・ビジネスサービス、エネルギー・プロセス、パッケージ製品・小売、消費財、建設・建築といった12分野にわたっており、それぞれの業種に特化したソリューションを提供している。
Charles氏が今後の事業戦略におけるキーワードとして挙げたのは、冒頭の発言にもある「3Dエクスペリエンス」だ。同氏によると、これまで同社は3Dの分野において設計からデジタルモックアップ、製品ライフサイクル管理(PLM)へと領域を広げ、昨年からは3Dエクスペリエンスの提供に注力しているという。昨年の新規顧客数が大きく伸びたのは、こうした新たな戦略展開が奏効したのが要因のようだ。
同社の3Dエクスペリエンス製品群は、デザイナーだけでなく一般消費者まで含めて、あらゆる人々が仮想空間の中で臨場感あふれる3Dの体験を創造・共有できる環境を提供しようというものだ。具体的には「ソーシャルコラボレーティブ」「インフォメーションインテリジェンス」「コンテンツシミュレーション」「3Dモデリング」といった4つの領域のアプリケーションとそれらの基盤ソフトウェアからなる「3Dエクスペリエンスプラットフォーム」を提供している。
このうち、3Dモデリングアプリケーションのブランドの「CATIA」や「SOLIDWORKS」などは筆者も以前からよく知っているが、同社のソリューション領域がここまで広がっているとは甚だ勉強不足だった。Charles氏によると、今後はこれらのクラウド展開にも注力していく構えだ。もともと3Dの分野で確固たる強みを持つ同社だけに、これからの戦略展開が大いに注目される。
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