McNealy氏にすれば、Wayin Hubで夢よ再び、といったところか。日本での成功は、会見で新サービスを熱心に説明した森氏が率いる専任部隊の頑張りにかかっている。
「モバイルのビジネス活用に向けたトータルソリューションを提供できるのはIBMだけだ」
(日本IBM Vivek Mahajan 専務執行役員)
日本IBMが6月13日、企業のモバイルコンピューティング基盤の構築を支援するソリューション群「IBM MobileFirst」の強化に向け、ソフトウェアの最新版と新製品の提供を開始すると発表した。同社でソフトウェア事業を担当するMahajan氏の冒頭の発言は、その発表会見で、この分野でのIBMの優位性について自らの見解を語ったものである。
日本IBM Vivek Mahajan 専務執行役員
MobileFirstは、モバイルを活用してビジネスの変革や創造を支援するコンセプトと、それを具現化するためのソリューション群の総称で、IBMが2月から推進しているモバイル事業戦略の基盤となるものだ。Mahajan氏は「競合他社にもさまざまなモバイルソリューションがあるが、インフラから各種アプリケーション、セキュリティなどをトータルソリューションとして提供できるのはIBMだけだ」と強調した。
日本IBMがこの日発表したのは、モバイルアプリケーションの開発から展開、運用に必要な機能を提供するモバイル・エンタープライズ・アプリケーション・プラットフォーム(MEAP)製品の最新版となる「IBM Worklight V6.0」、ビジネスプロセスの可視化と管理機能を提供するソフトウェアの最新版「IBM Business Process Manager V8.5」、およびモバイル端末をはじめとする機器間通信(Machine to Machine:M2M)での大量の情報を安全かつ確実に送受信する新しいアプライアンスの3製品。
これらのさらに詳しい内容については、すでに報道されているので関連記事をご覧いただくとして、ここではモバイルのビジネス活用におけるIBMの考え方に注目したい。
同社ではまずモバイルについて、「モバイルを利用する利用者の9割以上がデバイスを常に持ち歩いている」「位置情報などを活用してサービスを提供することが利用者に付加価値を与える」「今やトランザクション処理を行うデバイスとして利用されている」「モバイルを活用することで新しいビジネスモデルが生まれてきている」といった特性があることに注目した。
その上で、モバイル端末を単なる情報の入力や参照のためのツールではなく、ビジネスの新たな変革や創造のやめの知見を得る情報収集と発信の起点であると位置付け、モバルからのアクセスを前提とした企業内システムや、モバイル利用を基軸としたビジネスプロセスの必要性を提唱している。
MobileFirstは、まさにこうした考え方に基づいて体系化されたソリューション群というわけだ。「モバイル起点のビジネス変革を支援する」と銘打ったこのソリューション群、IBMにとっては新しいチャレンジだけに大いに力が入っているようだ。
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