「Oracle Database 12c」の国内提供開始--クラウド対応でアーキテクチャ変更

大河原克行 2013年07月17日 13時47分

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 日本オラクルは7月17日、データベースの新版となる「Oracle Database 12c」の国内提供を開始した。“データベースクラウド”環境用に設計された初のオラクルデータベースと位置付けている。グローバルでは7月1日にリリースされた。

 Oracle Database 12cは、新たなマルチテナントアーキテクチャによる次世代データベースとし、データベースのクラウドへの統合作業を簡素化できるという。アプリケーションを変更することなく、多数のデータベースをひとつのデータベースとして一元管理できるのが特徴と説明。同社では、高いリソース効率における統合と、運用管理工数の削減により、企業のITコストの削減を支援できるとしている。

 これまではデータベースごとに独立したハードウェアリソースが必要となっていたが、これらを仮想化しデータベースだけを独立させる“プラガブルデータベース”として構築。マルチテナントの仕組みとしたことで、従来の仕組みに比べてメモリは5分の1にできるなど、サーバリソースを効率化できるという。パッチ適用やアップグレード、バックアップ作業は、マルチテナントコンテナデータベースに対して1回行うことで完了、運用の効率化を図れるとメリットを強調している。

 データの自動最適化を強化し、情報のライフサイクル管理を改善。ヒートマップ機能でデータの利用頻度を視覚的にとらえられ、ストレージの利用効率の向上と最適化、運用管理の人件費も削減できるという。使われていないデータを自動的に圧縮、移動する機能「Automatic Data Optimization」も特徴のひとつとなる。

 セキュリティ系の「Oracle Advanced Security」の新機能である「Data Redaction」で、機密情報の閲覧可否を参照者の権限にあわせて動的に設定できるようになった。新たなデータ同期機能である「Active Data Guard Far Sync」の提供でデータベースクラウドとしての可用性の強化を図っている。

 「セキュリティ機能は、オラクルの主要ユーザーである金融機関や国防機関からの声を反映したもの。高可用性では、遠隔地に配置したスタンバイ環境との間に発生するネットワーク遅延などの問題を解消し、“(どんな障害が発生してもデータを失わない)ゼロデータロス”のスタンバイ環境構築を実現。ミッションクリティカルなシステムにおける事業継続性の向上を支援する」とした。


日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者(CEO)遠藤隆雄氏

日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長 三澤智光氏

 Oracle Database 12cは、延べ2500人年分の設計構築作業をかけて開発したほか、120万時間におよぶ検証を通じて、約500の機能を新たに追加。SPARCとXeonに最適化しているという。

大きなアーキテクチャチェンジ

 日本オラクル代表執行役社長で最高経営責任者(CEO)の遠藤隆雄氏は「“c”という名称がついていることからもわかるように、クラウドのために開発された世界でただひとつのデータベース。運用面でも大きな効果を発揮できるのが12cになる」と語った。日本オラクル専務執行役員の三澤智光氏は、これまでを振り返って以下のように説明した。

 「8iではクライアント/サーバからスリーティアコンピューティングへの移行を促し、9iでは大量データと大量トランザクションへと対応した。10gではサーバ、ストレージ、ネットワークをプラットフォームとしてとらえたグリッドコンピューティングの時代をリードした。11gでは、プラットフォームとしてのオラクルの機能が完成し、Exadataを生みだした。12cは、クラウドコンピューティングの時代にオラクルが仕掛ける大きなアーキテクチャチェンジである。今までのコンピュータアーキテクチャでは実現できなかったクラウドでの課題が、ほとんど解決できるようになるだろう。競合他社の追随を許さない機能を実装している」

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